医師はミタ!夫婦仲悪化で「不調」熟年夫婦の現実 「離婚」して新たな人生を歩むのも1つの選択

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いざ離婚をする時に、入念な準備をしておく必要があるのが、お金のことです。自分は専業主婦だから、離婚後の経済状況が不安と言う方も、今は財産分与に加え、夫の年金分割もできるようになりました。

婚姻中に築いた財産は「夫婦の共有財産」として見なされるので、夫の退職金や預貯金をはじめ、加入している生命保険も解約するなどして分割することができます。持ち家があるなら、売却して得たお金を分けることもできるでしょう。

離婚時の年金分割については、配偶者が会社員や公務員など厚生年金加入者が対象になりますが、相手が上場企業に勤めていた場合、「企業年金」に加入しているケースも多く、厚生年金にさらに上乗せされる可能性もあります。

実際に年金分割したら、どの程度の金額になるのか、年金事務所などに問い合わせてみるのもいいでしょう。

今は介護職や家事代行などシニアの求人は驚くほど多いです。働き口についてもリサーチしてみてください。離婚前に、勤務先を見つけられるならそのほうが安心です。

財産分与や年金分割した場合の金額を計算しておくと、離婚後の住居費や生活費にどれぐらいかけられるか、収入をあとどのぐらい増やすと、望む生活が送れるのかなど、先の見通しが立ちやすくなります。離婚後の経済プランをしっかり準備しておくことは、幸せな再出発に必要不可欠です。

いざ! 離婚へ踏み切る

すでに関係性が破綻していない限り、相手に離婚を切り出したら、動揺したり、うろたえたりするはずです。

逆上して、言い争いになることも考えられます。でも、そこでひるんでしまったら、前に進むことはできません。キッパリと自分の意思を伝えるべきです。

自分ひとりでは太刀打ちできない、あるいは相手と直接話すのが難しい場合は、第三者に入ってもらうのもいいでしょう。

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離婚を切り出してこじれた時のために、離婚に値する材料をあらかじめ準備しておくことも大切です。例えば、相手の威圧的な態度に耐えられないなら、その言動を具体的にメモしておく。スマホで会話を録音しておくのも有効です。

相手の言動によって不眠や動悸など心身に異常をきたしている場合は、精神科や心療内科で診断書をもらっておくのも離婚の後押しになるでしょう。

無事に離婚が成立したら、もう相手への情や未練を断ち切るべきです。なぜなら、離婚後すぐに相手が病気になったり、精神的に荒れたりしていると、優しい性格の人は「自分のせいではないか」と責任を感じてしまうからです。

特に妻から離婚を言い渡された男性の場合、ショックのあまりその後の生活が荒れたり、飲酒量が増して健康を害したりするケースも少なくありません。

ただ、冷たく聞こえるかもしれませんが、相手が落ち込もうが、病気になろうがそれは相手の問題であり、責任です。離婚後、晴れ晴れとした気持ちで新生活を始めるためにも、境界線を引き、相手への責任感や罪悪感を手放してください。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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