医師はミタ!夫婦仲悪化で「不調」熟年夫婦の現実 「離婚」して新たな人生を歩むのも1つの選択

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長年、言わずに溜め込んでいるという方は自分の思いを伝えることにチャレンジしてみてください。面と向かって言えないなら、手紙でもいいでしょう。

言ってみて、相手が怒り出したり、聞き入れてもらえなかったりする時は離婚も視野に入れて次のアクションを考えればいいのです。

逆に夫婦の関係性について、相手から思いを突きつけられているのに、そこに対して向き合わないでいると、遅かれ早かれ離婚を切り出される危険性があります。それが嫌なのであれば、自己を振り返って、行動を改めてみてください。そこが、夫婦関係が続くかどうかの分かれ目であり、関係修復のチャンスです。

プチ家出や別居にトライ

自分の要望や譲れない条件を伝えても、何ら変化がない時。自分という存在の大きさをわかってもらうためにも、あえて物理的に離れることも有効です。

長期の旅行や実家に帰るなどして、「プチ家出」を決行するのもいいですし、「あなたの行動に変化がないので、少し距離を置いて考えたい」と、別居を言い渡すのもいいでしょう。

離れている間に、相手の生活がままならなくなって、「やっぱりキミ(あなた)がいないとダメだ」「自分が悪かった」と反省するもしれません。そうなればシメたもの。自分が優位に立てるので、聞き入れてもらえる可能性大です。

プチ家出や別居の期間中にも、できることはいろいろあります。一旦離れることで冷静になれますから、そこで今までの自分のあり方を客観的に見つめ直すことができます。

「自分も我慢しないで、相手に思ったことを言えばよかった」「相手の顔色を気にせず、もっと自由に振る舞えばよかった」などと、何か気づきがあるかもしれません。それを家に戻った時に実践していく。ひと皮むけた、新しい自分で相手と接すれば、これまでとは異なる関係性を結び直すこともできるでしょう。

もしくは、ひとりの時間を持ったことで「なんて気が楽なんだ」「せいせいする」と、重い荷物を降ろしたかのように身も心も軽くなるかもしれません。そうしたら、そのまま完全別居や離婚に向けて歩みを進めればいいのです。

離婚を決意する前に、別れた後はどういう暮らしになるのか、どんなことがやりたいのか、ぜひ未来図を描いてみてください。

ひとりになった自分を想像した時、明るい未来が描けるならいいでしょう。そうでないなら、無気力でさみしい老後の日々を送ることになりかねません。わざわざ無理して離婚するまでもなく、「つかず離れず婚」や別居生活を続ければいい、ということにもなります。

相手と離婚して他人同士になったほうが、きれいさっぱり新生活を始められる。相手の親族との付き合いや介護からも解放されて心が軽くなる。そういう清々しい未来が想像できるなら、離婚という選択は自分を幸せにしてくれるでしょう。

そして、「離婚したらやりたいこと」についてもぜひ考えてみてください。

1LDKのマンションを借りて、自分好みの部屋で自由気ままに暮らしたいとか。仕事や趣味の活動を始めて、いろんな年代の人たちと触れ合いたいとか。新しいパートナーをつくって再婚するのもいいかも……などと、未来を描いた時に気持ちが明るくなるなら、きっと離婚する道は合っています。

身近に熟年離婚した人がいれば、今どういう暮らしをしているのか話を聞いてみるのもいいでしょう。離婚後の暮らしがより具体的に見えてくるはずです。

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