雪の中の「ごみ収集」やってわかった超過酷な現場 北海道札幌市で冬の「収集作業」を体験した

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防鳥ネットと集積所の囲いを片付けている様子(筆者撮影)

ちなみに、筆者も収集時に防鳥ネットを畳んでみた。素早く畳むにはコツがある。地べたに広げて畳むのではなく、防鳥ネットの中心部を持ち上げて、そこを基点に畳んでいく方法があるのだが、教えていただいてもすぐに実践できなかった。

所定の場所に片付けている様子(筆者撮影)
委託業者が作業を行った後の様子。確かにごみは収集されているが…(筆者撮影)

通常の収集量は多く、16時ぐらいまで収集作業が続く。非常に過酷な業務となっているにもかかわらず、それに加えて、住民の満足度の向上を目指し、自らの業務を深化・進化させている。筆者はこの業務へ取り組む姿勢に驚くとともに、直営でごみ収集業務をする意義がそこにあるのだと思えた。

市民目線の清掃サービスの提供

一方で、このようなサービスは、住民にはそれほど認知されていないようだ。「市長が代わったからサービスがよくなった」という住民もいるとのことである。当該サービスの裏には清掃職員の「市民目線の清掃サービスの提供」という直営魂が込められている。

これは札幌市に限らず、どの収集現場でも当てはまることである。私たちの生活のために過酷な現場で働いている方々に、当たり前と思わず、そのサービスを享受する人々が自然と感謝の意を伝えていくような世の中になっていってほしく思う。

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藤井 誠一郎 立教大学コミュニティ福祉学部准教授

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ふじい せいいちろう / Seiichiro Fujii

1970年生まれ。同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程修了。博士(政策科学)。同志社大学総合政策科学研究科嘱託講師、大東文化大学法学部准教授などを経て現職。専門は地方自治、行政学、行政苦情救済。

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