雪の中の「ごみ収集」やってわかった超過酷な現場 北海道札幌市で冬の「収集作業」を体験した

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また、収集車の車高が高いため、ごみの投入口(バケット)も2トン車よりも幾分高くなる。これは、ごみを積み込む際に、持ち上げる労力が余分にかかることを意味する。少し高いだけなのだが、非常に腕の力を要する作業となり労力は予想以上だった。

4トン車の投入口は幾分高く、積み込みには余計に労力がかかる(筆者撮影)

雪の中の作業は、過酷そのものであった。雪に不慣れな者ではまったくといっていいほど使いものにならない。田中氏は「収集では走らない」とは言っていたものの、「小走り」で次の集積所に向かって行った。筆者もついていこうと思っても雪靴で動きにくく、足が雪の中に吸い込まれていくようで思うように動けず、何回かこけてしまった。

体力に自信があったものの、息はあがっていき、収集車に乗り込んでからも収まらないまま、次の収集が始まる状態であった。何とか最後まで作業を終えたが、途中からはへたってしまい、田中氏やほかの職員の皆さんに筆者の分まで仕事をしてフォローしていただき、多大な迷惑をかけてしまった。

寒さからか酸欠状態で顔が真っ青になり生あくびが続いていたため、田中氏から「明日はやめときましょう」と言われてしまった。これまで筆者が体験した収集の中でいちばん過酷な作業であったが、機会があればリベンジをしてみたく思っている。

収集サービスの質的向上

このような過酷な現場で清掃職員の皆さんは作業を行っているが、昨今の行政改革のあおりを受け、札幌市でも人員削減が進められ、委託業者も入ってごみ収集をしている。直営比率は50%程度から30%に低下し、現在では70%近くが委託になっている。

単にごみを収集するだけなら、委託業者の仕事と変わらないと判断され、さらなる人員の削減という流れになってしまう。そこで田中氏をはじめとする清掃職員の方々は、「市民目線に立ち、住民のためにできる限りのサービスを提供する」ことをポリシーにし、収集業務を展開している。

その一環として挙げられるのが、集積所の後片付けである。具体的には、防鳥ネットを綺麗に畳んで所定の場所に片付けたり、囲いを綺麗に畳んで片付けたり、集積所に散らかる細かいごみを熊手ほうきで集めたりして、市民へのサービスを向上させている。

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