雪の中の「ごみ収集」やってわかった超過酷な現場 北海道札幌市で冬の「収集作業」を体験した

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札幌市のごみ収集車は4トン車であり、1日4台分のごみを積み込む作業内容となっている。筆者が東京で体験してきたときは2トン車を6台分であったので、単純計算でもかなり多くのごみを積み込む。

収集車に乗る前に驚いたのが、座席位置の高さである。これまで経験した2トン車では高さを意識せずに乗り込めたが、4トン車は身長184cmの筆者でも車に登っていく感覚であり、足にかなりの負担がかかった。収集のために何度も乗り降りしているうちに、じわりじわりと足に負担がかかっていくようになった。

4トン車の座席位置。乗り降りにはかなりの負担がかかる(筆者撮影)

いよいよ出発し、雪道をひた走って山側の西野地区へと向かった。東京で雪が降った翌日は、路面凍結の可能性があるため収集が見合わせられるケースがあるが、札幌市では対策を施したうえで収集を行っていく。

除雪による雪山が道の両側にでき、3車線の道が2車線となっている雪道のなか収集に向かう(筆者撮影)

いよいよ現場に到着し、ごみ収集作業を始めるときとなった。雪が積もった場所に降りるため、慣れていなければ足を取られて転倒してしまう。また、雪靴や防寒具では身動きがとりにくく、自由に動けない中での収集作業となっていった。

手が悴んでごみ袋がつかめない

札幌市のごみ収集は町内会との間で決めた場所にごみを排出し、それを収集して回るステーション方式となっている。ステーションにはさまざまな形があり、籠タイプのところもあれば、折り畳み式の囲いに防鳥ネットを被せているところもある。

到着すると、集積所に被った雪を払い除けてごみを収集していくのだが、雪を払っていくうちにグローブの隙間から入った雪の冷たさで手の感覚が薄れていき、思うように動かなくなっていく。

(写真左上から時計回りに)雪に埋もれた集積所、折り畳み籠タイプ、囲いに防鳥ネットを被せているタイプ、折り畳み式の囲いに防鳥ネットを被せているタイプ(筆者撮影)

手が悴んで思うようにつかめないのに加え、札幌市は指定の有料ごみ袋で可燃ごみを排出するため、詰め込めるだけのごみをパンパンに入れてある袋が多い。

これまでほかの都市で収集していたときにごみ袋の結び目部分を握るのがポイントだと学び、いつも実践してきた。しかし札幌市では傾向として、ごみ袋の結び目が小さく、中にはピンセットで結んだのではないかと言っても過言ではないぐらい小さな結び目のものが多く、つかめない。

注意深くほかの方の作業を見ていると、ごみ袋の中に指を突っ込んで引っかけていくように収集しているのだが、袋の中には尖ったものが入っている可能性もあり、非常に怖くリスクが伴う収集作業だった。

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