欧米で進む「レイオフの波」日本にもやってくる? 2023年エンジニア採用トレンドはどうなるのか
高野:また、サーバーサイドエンジニアのニーズも引き続き伸びると考えられます。今は端末にダウンロードするネーティブアプリより、ブラウザで動くWebアプリが主流になったため、クライアントアプリのエンジニア需要は縮小傾向で、採用ニーズもサーバーサイドへ移行しています。
今後サーバー側の負荷が過大になるといった環境変化があれば、再びネーティブアプリが主流になって、クライアント側のエンジニアが求められる時代が来るかもしれませんが、2023年の潮流としてはサーバーサイドのニーズが高い傾向が続くでしょう。
マネジメントスキルなど技術以外の「プラスα」
──とはいえ、ニーズが高い職種や領域のエンジニアでも、「企業が欲しがる人材」とそうでない人材はいるかと思います。2023年以降、とくに日本のIT企業で求められるエンジニア像とはどのようなものですか。
高野:「総合力」が1つのキーワードになります。もちろん特定の技術を極めた人材が必要とされる場面もありますが、現実には多くの企業で従来の職務に加えて「プラスα」が求められるようになっています。
例えば、サーバーサイドエンジニアでもフロントサイドの技術に理解があるとか、小規模案件であればAWSでインフラ構築できる人は、現場で重宝される。
最近は、Webアプリ開発をRailsからGOに切り替える企業も増えているので、こうした新しい言語をいち早く習得し、どんな言語でも書ける人は今後さらにニーズが高くなります。
あるいは先ほど挙げたように、マネジメントスキルなど技術以外のプラスαがある人も必要とされています。
サッカーでもドリブルが圧倒的にうまいとか、シュートは絶対に外さないとか、1つの技を極めることで日本代表に選ばれる人もいると思いますが、派手な見せ場はなくてもずっと試合に出続ける選手もいますよね。
それは、サッカーの技術に加えて、体力や精神的なタフさなどを備えた総合力のある人材だからです。
エンジニアも同じで、「この技術なら負けない」というものを追究する生き方もありますが、幅広いスキルや知識を身に付けて活躍する道もある。2023年以降のキャリアを検討するなら、自分はどちらを目指すのかを考えてみるのも大事なことではないでしょうか。
取材・文/塚田有香 編集/玉城智子(編集部)
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