欧米で進む「レイオフの波」日本にもやってくる? 2023年エンジニア採用トレンドはどうなるのか

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──2023年以降も日本では売り手市場が続くとしたら、エンジニアtype読者にとって朗報です。中でも採用ニーズが高まることが予想される業界や業種はありますか。

高野:私が代表を務める株式会社キープレイヤーズのグループが手がける『PayCareer』の求人動向を見ると、SIerやITコンサルではAIやブロックチェーンの技術に強いDXエンジニアのニーズが高く、この傾向は2023年も続くと考えられます。

また従来は基幹系・業務系開発が主流だったSIerも、現在はWeb開発が中心になるため、SI業界におけるWebエンジニアの需要は上昇傾向です。

メルカリ子会社のメルペイがクレジットカード事業に参入するなど、IT企業が金融業に進出するケースが増えているのも注目すべきトレンドです。この流れを受けて、今後はフィンテック領域での採用も伸びると思われます。

一方で、非IT企業によるITビジネスへの進出も加速しています。放送や出版社などのメディア系やアパレルブランドなどの事業会社がIT子会社を立ち上げ、独自のビジネスを推進し始めているので、当然エンジニアの採用には力を入れるでしょう。

要注目の「日本橋ベンチャー」

高野:また東京・日本橋周辺にオフィスを構える「日本橋ベンチャー」と呼ばれる新興企業群の中から、大型の資金調達に成功して事業を急拡大させる企業が増えているのも要注目です。

参照元:起業LOG

日本橋ベンチャーの特徴は、すでに何度か起業を経験した30代から40代の経営者が多いこと。ノウハウが蓄積されているため、ユニコーンを狙うほどではありませんが、堅実に売り上げや利益を伸ばしています。

ベンチャーやスタートアップでチャレンジしたいと考えるエンジニアは、こうした業績好調な企業の採用情報にも注目するといいでしょう。

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