欧米で進む「レイオフの波」日本にもやってくる? 2023年エンジニア採用トレンドはどうなるのか

拡大
縮小
日本と海外、IT人材の雇用状況の違いと、2023年のエンジニア採用のトレンドを解説します(写真:zon/PIXTA)

2022年はアメリカの利上げをきっかけに海外テック企業の株価が軒並み下落し、GAFAをはじめとする巨大IT企業でも大量解雇や採用凍結に踏み切るケースが相次いだ。海の向こうから届くネガティブなニュースを聞いて、不安を感じているエンジニアもいるだろう。

本記事は『エンジニアtype』(運営:キャリアデザインセンター)からの提供記事です。元記事はこちら

はたしてこの流れは日本に波及するのか。そして2023年のIT業界はどのように変化するのか。企業経営や人材採用の動向に詳しい株式会社キープレイヤーズ代表取締役の高野秀敏さんに、2023年のエンジニア採用のトレンドを解説してもらった。

日本企業が大幅な人員削減を行う可能性は極めて低い

──2022年はこれまで右肩上がりを続けてきた欧米テック企業の株価が暴落し、大規模な人員削減を押し進めるケースが続出しています。この流れを受けて、日本でもエンジニアの採用抑制やリストラが起こる可能性はあるのでしょうか。

高野:日系の企業については、しばらくないと思います。なぜなら日米では雇用環境や働き方の文化がまったく異なるからです。

アメリカには世界中から優秀な人材が集まっているので、いったん社員を大量に解雇しても、「経営が上向いたら、またいくらでも採用すればいい」という考え方があります。

(写真:エンジニアtype編集部)

そもそも終身雇用文化が根強く残る日本とは違い、アメリカ企業の従業員はプロジェクト単位で契約し、長期雇用が保障されない代わりに年収が高く設定されている。よってアメリカでは、企業の戦略や方針が変わったタイミングで雇用契約が打ち止めになるのは、とくにめずらしいことではありません。

次ページ日本はエンジニアなど特定の技能を持つ人材が足りていない
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT