
17歳で初陣を迎えた徳川家康
鮮烈なデビューを果たすか、ほろ苦い初戦となるか。人生で初めて戦闘に参加する「初陣」は、どんな武士にとっても特別なものに違いない。
初陣は元服前後の10代前半で迎えることが多い。徳川家康は、初陣を17歳のときに迎えている。他の武将に目を転じれば、上杉謙信は13歳、織田信長は14歳で初陣を経験した。一方で、毛利元就のように20歳で初陣を果たすケースもある。家康の17歳はデビューの年としてはやや遅めだが、特筆するほどでもないだろう。
時期としては、永禄元年(1558)2月のことであり、家康が「松平元康」と名乗っていたころである。家康が14歳で元服し、正式に今川氏の配下となってから、3年後のことだ。ちょうどこの時期に、今川義元は嫡男の氏真に家督を譲っている。家康は、今川家の若きリーダーを支えるべく期待されるなか、初陣を迎えることになった。
家康が立ち向かうことになった相手の名は、寺部城主の鈴木重辰。重辰が尾張の織田方へと寝返ったため、討伐するべしと今川義元に命じられて、家康が出陣している。
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