試乗時もアクセルを踏んで発進する際は、しばらくは100%モーターで走るEVモードで走行した。その後、速度が上がってくると、エンジンが充電のために始動し、ハイブリッドモードに切り替わるが、まったくエンジンの始動音に気づかないほど静かなままだ。ZR-Vが採用する10.2インチ・デジタルグラフィックメーターは、左側に回転計、右側に速度計を配置しており、回転計の下側にあるEVマークが点灯すればEVモード、消えればハイブリッドモードなどに切り替わったことがわかる。ZR-Vでは、マークを見ない限り判断ができないほど、走行モードの切り替えが静かでスムーズなことに驚いた。
同じSUVのヴェゼルと比べても圧倒的な静粛性
以前試乗した、同じホンダのコンパクトSUV「ヴェゼルe:HEV」とは、かなり静粛性が違う。とくにヴェゼルは、加速してEVモードからハイブリッドモードへ切り替わる際、エンジン音がはっきり聞こえたが、ZR-Vはまったくそんな気配は感じられない。こうした静粛性は、高速道路の料金所を通過し、登り坂の合流車線に入ったときなども同様で、加速のためにある程度アクセルを踏み込み、エンジン回転数を上げても音はほぼ聞こえない。
また、試乗車は、タイヤにヨコハマ・アドバンdB V552(前後サイズ225/55R18)を装着していたが、走行中のロードノイズもほとんど耳に入らない。エンジンを含め、車体やタイヤなど、車両全体の静粛性が抜群だ。同様のことは、新型ステップワゴンのe:HEV車でも感じたが、最近のe:HEV、とくに2.0Lエンジンとのマッチングでは、かなり制御などが進化していることがうかがえる(ヴェゼルのe:HEVは1.5Lハイブリッド)。
ホンダの開発者によれば、これは、「(ZR-Vなどのe:HEVは)エンジンの燃費がいい領域が広がったことで、より低い回転数でも走行できるようになった」ことが要因だという。e:HEVは、独自の制御により、走行状況などに応じつねに燃費がいいエンジン回転数とすることが特徴のひとつだが、低い回転数でも燃費がいいため、回転数を上げすぎることがなく、結果的に静かさにつながっているのだという。
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