「"40代おじさん"を煙たがる人」に欠けている視点 定点調査から分析「実は家族思いでモラリスト」

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しかし、人数が多ければ影響力も大きくなるが故に大事にされるかと思いきや、これまでの人生そんなことはまったくありませんでした。私たち40代おじさんは、子どもの頃から今に至るまで、ちやほやしてもらった思い出がない!

女子大生ブーム、女子高生ブームのようにメディアから注目されたこともなければ、アクティブシニア、Z世代のように魅力的なマーケティングターゲットとしてうやうやしくご意見を聞かれたこともない。

それどころか、近年40代おじさんは「ダメおじさん」認定されている気さえしています。世を憂うにも「最近の10代は……」よりも「最近の40代おじさんは……」と嘆くほうが共感を得られそうです。

「40代おじさんはどこまでズレているのだろうか? 」
 「そんなに40代おじさんが悪いのだろうか? 」
 「40代おじさんはどこをどう直せばよいというのだろうか? 」

そんな被害妄想の行く末を、さまざまなデータを基に明らかにしていきます。特に知る必要もなかった、40代おじさんの秘部・恥部・未知部があらわになります。

前書きから湿っぽくなっておりますが、ご自身や身近な方を思い浮かべながら、「ああ、あるある」「これは全然当てはまらないな」と、ほんの軽い気持ちで楽しんでいただけましたらうれしいです。

「いいおじさん」になった40代おじさん

――今から約2年前の2020年12月、私は「40代おじさん」の7つの特徴として、

許さない 闘わない 燃えない 連(つる)まない 直さない 人情派 庶民派

を挙げました。

人情派・庶民派の顔の裏にどす黒さが見え隠れする、少年漫画でいうと、いい顔して主人公に近づき、ひきょうな手を駆使するもあえなくぶざまな最期を遂げる敵キャラクターのようです。雑魚。雑兵。モブ。圧倒的小者感。それが40代おじさんであり、客観的に見た私だったわけです。自分で書いていて泣けてきます。

だがしかし!

このたび公開となった、「生活定点」2022年調査の結果を見ると、前回2020年調査の結果から40代おじさんの意識・行動に大きな変化が表れていました。その変わりぶりたるや、コロナ禍に最も影響を受けたのが40代おじさんと評して差し支えないほどです。

調査結果を基に2年前と同様に40代おじさんの特徴を7つにまとめると、

律する 愛する 高める 縛られない 庶民派 アクティブ派 アナログ派

となりました。まるで別人です。

少年漫画でいうと、ぶざまな最期を遂げたと思っていたあいつが実は生きていて、強くていい奴になっていた。その後はもちろん、改心して仲間に加わる王道の胸熱展開です。書いていて泣けてきます。

これだけの劇的な変貌は、コロナ禍で生活が一変したことが大きな要因と考えられます。変わりゆく日々の中で、40代おじさんが自分の生活や自分自身の在り方を「見直し」「見極めた」結果なのだと思います。

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