「5代目プリウス」いち早く乗ってわかった超進化 一目惚れするデザインと虜にさせる走りは本物か

✎ 1〜 ✎ 22 ✎ 23 ✎ 24 ✎ 25
拡大
縮小
プリウス(2.0 HEV プロトタイプ)
プリウス(2.0 HEV プロトタイプ)

PHEVは2.0Lのシステムがベースだが、システム出力223psで0→100㎞/h加速6.7秒と、もはや実用車ではなくスポーティモデルに足を踏み入れたパフォーマンスと、従来モデル比50%以上向上したEV走行距離(=100km以上!?)を両立する。でインフラを気にすることなく日常領域はほぼBEVとして使えることを考えると、もっとプラティカルな電動化モデルと言ってもいいかもしれない。

どちらのモデルにも4WD(E-Four)が設定されるが、どちらも先代比で6倍の出力(30kW)となるリアモーターを搭載。先代は雪道などの低μ路での発進補助的な役目だったが、新型は全車速域での駆動が可能になったのに加えて、旋回時にも駆動力制御を活用した制御が盛り込まれており、オンロードでの走りにも貢献する。実はGRヤリスの開発で培った4WD技術が普通のクルマにも活かされているのである。

シャシー関係は先代から採用されたTNGA「GA-C」プラットフォームだが、これまでの知見や他のモデルからのフィードバックを活かし「第2世代」に進化している。ボディ剛性は引き上げられているが、絶対的な数値云々ではなく、「相対的に弱い部分がないか」、「綺麗にねじれているのか」といったような剛性の連続性に着目した最適化が行われている。

その中の1つがフロント回りの剛性アップ。ステアリングを切った時の変形を抑える構造になっている。ステアリング回りは正確性や滑らかな操舵、そして直結感にこだわった第3世代EPS制御、サスペンションはフロント:ストラット、リア:ダブルウィッシュボーン式を採用するが、上記のアップデートに合わせて最適化を実施。更に床下に採用された空力操安アイテム(エアロスタビライジングステップ)やカローラ5000万台記念車で話題となった除電スタビライジングシート(2.0L)など、細部まで抜かりなしだ。

プロトタイプに試乗してみた

そんな新型プリウスだが、今回の正式発売に先駆けてプロトタイプに試乗できたので報告したい。

試乗ステージは富士スピードウェイ・ショートコース。ナンバーなしのプロトタイプのためクローズドコースでの試乗は理解できるが、いきなりサーキットで走らせるとは……。これは開発陣の自信の表れであると同時に新型プリウスへのハードルがグンと上がった。今回はHEVの1.8L/2.0LのFFとE-Four全てのモデルを試すことができた。

次ページCセグメントトップレベルの走りに進化
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT