恐らく豊田社長は「愛車は実現できない」と思っていたはずだが、これまで「できないからやる、それが挑戦です」を自ら実践してきたからこそ、否定しなかったのだろう。その後、出来上がったデザインを見て「カッコいいね!!」と語ったそうだ。
それが今年11月16日に世界初公開された5代目プリウスである。プリウス自身が生まれ変わり、次世代パワートレインのさまざまな選択肢の中でハイブリッドの魅力を知ってもらう想いから、開発コンセプトは「Hybrid Reborn」とした。
これを筆者なりに解釈すると歴代モデルの個性は「圧倒的な燃費」だったが、新型は「燃費がいいのは当たり前、それとは違う個性を盛り込む」である。開発陣が盛り込んだ個性は一目惚れする「デザイン」と虜にさせる「走り」の2つだ。もちろん歴代プリウスが無視していたわけではないものの、最後は燃費のために犠牲になっていたのも事実だ。そこで新型はその呪縛を解いたのだ。
4ドアクーペと呼びたくなるフォルム
エクステリアは2代目から続く1モーションフォルムを継承するが、ワイド&ローのプロポーションやルーフ頂点を後方に下げたことに加えて、低いボンネット、スポーツカーのように寝かされたフロントウィンドウ、線ではなく面で抑揚を与えたグラマラスなサイド、薄型一文字ライトを配したリアなどによりハッチバックというより4ドアクーペと呼びたくなるスタイリッシュなフォルムだ。
ちなみに先代モデルと見比べてみると意外と共通点はあるものの、コロッとした先代に対して新型はシュッとしているので、印象は全く異なる。タイヤは1.8Lが195/60R17+ホイールカバー(ナットを見せない珍しいデザイン)、2.0Lモデルが195/50R19+アルミホイール(初代86に似た意匠)と先代から2インチアップ。これは見た目とステアリング切れ角、そして転がり抵抗を考慮した設定だそうだ。
さらにフェンダーとの隙間やホイールのインセットも純正にしてはかなり攻めた設定だ(先代はホイールが内側に引っ込みすぎで内股みたいに見えてしまう)。
ボディカラーは全8色で、定番の白黒シルバーに加えて、イエロー(マスタード)/レッド/ブルーの明るい色、更にはアッシュなども用意。せっかくのカッコいいデザインだからこそ、買うなら攻めた色を選択してほしいというのが個人的意見だ。
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