「5代目プリウス」いち早く乗ってわかった超進化 一目惚れするデザインと虜にさせる走りは本物か

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プリウス(2.0 HEV プロトタイプ)
プリウス(2.0 HEV プロトタイプ)

まずはフットワーク。いきなり結論になってしまうが、7年前に乗った時に、3代目と比較すると「真っすぐ走りたがらないのに曲がりたがらないプリウスがTNGAという武器を手に入れたことで普通になった」と驚いたはずの4代目が一気に色褪せてしまっただけでなく、フォルクスワーゲン(VW)「ゴルフ」とガチンコ勝負できる実力を持つ「カローラ」シリーズをも超える……。

つまり、プリウスが属するCセグメントのモデルの中ではトップレベルと言っても過言ではなく、実用車の領域を超えてスポーティモデルと呼べる走りになっているのだ。

ステア系は軽めの操舵力(ノーマル)ながら正確性や雑味のない滑らかなフィール、そして路面の状況の解りやすさ(直結感)はトヨタ車の中でもトップレベルと言っていい。

ハンドリングはコーナー進入時では操作に対してスッとノーズがインを向く回頭性の良さと阿吽の呼吸で反応する車両応答、旋回中は低重心や車高の低さを活かした路面に張り付くような安定したコーナリング姿勢と無駄な動きを出さないフラット感の高いバネ上の動き、そして予測操作なしに行きたいラインを狙うことができるトレース性の高さ、コーナー脱出時はアクセル操作に対してシッカリ応えるトラクションの高さなどを実感した。

17インチモデルと19インチモデルの違いは?

試乗車のタイヤは17インチがヨコハマ・ブルーアースFE、19インチがヨコハマ・ブルーアースGTと決してハイグリップな銘柄ではないのだが、どちらも旋回Gは高いレベルなのはもちろんタイヤのグリップのギリギリまで使える懐の深さなどから、シャシー性能のポテンシャルはかなり高い所にある。

それに加えてコーナリング時の一連の動きが自然で素直なだけでなく、連続性を持っているので、ドライバーとクルマとの一体感やサーキットスピードでも数cm単位でラインが調整可能なコントロール性などは、下手なスポーカー顔負けと言っていいレベルだ。その結果、運転にも余裕が生まれると同時にクルマとの信頼関係も格段にアップしており、結果として安全・安心に繋がっている。

これらは17/19インチどちらも基本的には同じ印象だが、乗り味の違いは若干存在する。最大の違いは操作した時のクルマの動き方で、17インチは安心感がより高まる「穏やかさ」、逆に19インチはワクワク感を高めるような「機敏さ」がプラスされているように感じた。そういう意味では、17インチは先代の正常進化、19インチはプリウスとは思えない突然変異的な驚きを感じた。

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