ほぼフィクション?「関ヶ原の戦い」ざっくり解説 2023年のNHK大河ドラマは「どうする家康」
毛利「何をやっている! 前方にいるお前の隊が動かなければ、我々はみな動けないんだぞ!」
吉川「あー、今、兵士たちに弁当食べさせてるんで」
毛利「べ、弁当……今、このタイミングで!?」
長宗我部盛親「毛利さん、動かないんですか? 先陣が動かなきゃ、こちらも勝手に動けない決まりなんですけど?」
毛利「あ、いや……今、兵士たちに弁当食べさせてるんで!」
長宗我部「今、このタイミングで!?」
これが「宰相殿(さいしょうどの)の空弁当」という有名なエピソード。
先鋒である吉川広家が兵を動かさなかったために、毛利秀元やその周りにいた安国寺恵瓊、長宗我部盛親、長正家が率いる合計で2万5000以上の兵が機能不全に陥ります。
一方、同じく東軍への寝返りを約束した松尾山の小早川秀秋……なんですが、
小早川秀秋「んーー……どうしよ」
こちらはドタン場で逡巡タイム。戦が始まれば西軍の諸将を攻撃する手筈となっていた秀秋ですが、なかなかその踏ん切りがつきません。
エピソードのほとんどが怪しい?フィクションの可能性
焦ったのは家康です。
どうした。なぜ動かない?
背筋の凍りつく家康。やがてその焦燥(あせりやいらだち)は大いなる怒りとなり、秀秋のいる松尾山に向かってバーン! 弾丸に督促の意を詰め込んで、鉄砲を撃たせたのでした。
秀秋「やっぱ東軍で!」
家康の脅しに恐れおののいた秀秋は、東軍としての参戦を決定。松尾山を下り、大谷吉継隊に襲いかかります。寝返りによって優勢となった東軍の猛攻を受け止めることができず、西軍の敗北が確定。こうして、天下分け目の大合戦はたった1日、わずか6時間のうちに徳川家康率いる東軍の勝利によって幕を閉じたのでした。
と、いうのが関ヶ原の戦いの大まかなあらすじです。
ただ、今回お届けした概略のうち一番重要なのは、関ヶ原の戦いの当日のエピソードは、ほとんどがフィクション(の可能性が高い)という点です。ここに書いた印象的な出来事のすべてが怪しいってことです。この続きは後編で河合先生といっしょに解説します!
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら