身長160センチの男性が「背伸び」をやめたわけ 結婚式場で受けた「セッシュだね」という屈辱

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針生さんは続ける。

「30年前に比べて“市場が広がっている”という感はありませんが、幅広い需要にリーチできているという手応えはあります。以前は通販のみで対応していたので、お客様がどのようにシークレットシューズを活用されるかわかりませんでした。

でも実店舗では直接お客様からさまざまな用途を伺えるようになりましたので、商品開発の参考にもなります。以前はシークレットシューズも革靴とスニーカーの2種類くらいしかありませんでしたが、今はフォーマルからカジュアルまで豊富なバリエーションがそろっています。ブライダル用のフォーマルシューズは7センチアップで7000円くらいからあります。

売れ筋は「10センチ」足せるスニーカー

最近、よく売れているのは10センチ身長をアップできる1万円ほどのスニーカーですね。もう少し……という場合は、プラス3000円でもう1センチ、6000円でもう2センチアップできるカスタマイズ商品もあります」

なるほど。身長も“ちょい足し”で買えるのだ。私は売れ筋のスニーカーを眺めつつ、気になっていたことを聞いてみた。

ニーズが熟れてきたのなら、競合他社の追随はないのだろうか。

「そういえば、10年ほど前に大手の靴量販店さんもシークレットシューズを発売したことがありました。店舗の中に“シークレットシューズコーナー”を設けたんですよ。でもいつの間にやら売り場がしぼんでいって、結局扱うのをやめたようです。

やはり、お客様としては一般の店でお求めになりづらいのでしょうね。そこは長年の実績と、専門店らしい安心感が求められているのだと思います」

“売れ筋”のシークレットシューズを手にする株式会社カラダ快適研究所運営統括責任者の針生裕己さん(筆者撮影)

たしかに、大柄な人も行き交う店内で「“シークレットシューズコーナー”に入るのは気が引ける」という人も多いのだろう。デートの途中で立ち寄っても「専門コーナーに入る姿を彼女に見られたくない」という意識が働くのかもしれない。

私が思案していると、針生さんが補足した。

「そうそう、当店にはカップルでお越しになる方も多いんですよ。結婚式や大切な日のためにお一人でそっと……という方も、もちろんいらっしゃいますが、“彼女がヒールを履きたいというので、バランスよく見える靴が欲しい”といって、おふたりで楽しくお選びになっていかれますね」

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