リハビリメイクが蘇らせた素肌と「魔法の言葉」 最愛の娘の半身は赤いアザで覆われていた

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リハビリメイクを受けて結婚式に臨んだ新見有梨沙さん(仮名)。左がメイク前、右がメイク後(写真:REIKO KAZKI)
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外見によって人の価値をはかるべきではない――。「ルッキズム」とは容姿の美醜による差別の意味でしばしば使われるが、それでも自分の基準で「美しくありたい」と思う人は多くいる。自らの外見を変えることによって、その人たちが手にしたいものは何なのか。「美しくありたい」の背景にあるものを追う。

「なんできれいに産んであげられなかったんだろう」

産室に元気な産声が響く。

待ちに待ったわが子との対面に、新見恭子さん(仮名)はほころんだ顔を振り向けた。だが、娘の姿をとらえた瞬間、彼女のまなざしは凍りついた。

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「娘の右半身は、頭のてっぺんから足のつま先まで赤いアザで覆われていたんです。アザがないのは顔だけ。首、胸元、背中、右腕、掌、脚……まるで悪い夢を見ているようで、娘を産み落とした喜びは、一瞬で深い悲しみに変わりました」

当時を振り返り、電話の向こうで恭子さんは声を詰まらせた。

娘・有梨沙さん(仮名)の身を染めたアザは、“毛細血管が多い部分が肌表面に現れた血管腫”と告げられるも原因は不明。乳児血管腫は、乳児の10~20パーセントに生下時から見られるという。恭子さんは夫とともにあらゆる病院を訪ね、生後2カ月からレーザー治療を試みたが、はかばかしい効果は得られなかった。

「なんできれいに産んであげられなかったんだろう。この子にこんなアザがあるのはきっと私の行いが悪かったせいだ」

自分を責め、娘を待ち受ける茨の道を思って恭子さんは泣き崩れた。「死のう」とも思ったという。けれど、そんな恭子さんを夫は一喝した。

「もうこの日を境に娘の前で泣くな!と叱られました。夫は、“まずお腹に命が宿った時点で親としての責任が生まれる。どんな姿でも大切なわが子で、愛して慈しむのは親として当然のこと。アザがどうこうより、自分は娘がこの世に生まれてきてくれた喜びのほうが大きい”と言っていました」

夫に励まされ、顔を上げた恭子さんのもとで有梨沙さんはすくすくと育った。

しかし、中学1年生のとき、恐れていた事態が起きる。

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