リハビリメイクが蘇らせた素肌と「魔法の言葉」 最愛の娘の半身は赤いアザで覆われていた

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たおやかな肩、しなやかな背のどこにもアザの影は見られない。その肌は、彼女を大切に思う人たちの愛に照らされてまばゆく輝いていた。

母親にとって娘の美とは何か?

今、有梨沙さんは2児の母となり、平和な結婚生活を営んでいる。

2人目のお子さんが生まれたばかりなので、しばらく実家に身を寄せているという。

恭子さんは産後まもない娘をねぎらい、孫たちの世話を手伝っていた。

「おかげさまで娘はいいお相手と出会い、子宝にも恵まれました。有梨沙は明るくさっぱりした子に育ってくれたので、そこがすごく救いです。笑顔だけは小さいときからみなさんにほめていただいてたんですよ。そのせいか、あまり悩みを抱えているようには見えないと言われますが、あの子は本当に苦労をしてきて……。

美しい女性って、なんでしょうね。やはり、容姿でなく心の美しい方ですかね。心にすべて表れるんじゃないかと。姿が美しい方はたくさんいらっしゃいますが、やっぱり娘には心の美しい人であってほしいと思うし、私もそうでありたいなと思っています」

「ばーば!」

ふいに、電話の向こうで愛らしい声が聞こえた。有梨沙さんのお子さんだ。

「ばーばは今お電話中だから、こっちに来てて」

やさしくたしなめる有梨沙さんの声が、恭子さんの笑い声と重なった。

取材が長くなったことを詫び、電話を切ろうとすると恭子さんがおごそかに続けた。

「……今でも、ひとつだけ願いが叶うなら、“神様、娘のアザを取ってあげてください”というのがずっと思っていることなんです。前向きには歩いてきたんですけど、気持ちが揺らいで“なんできれいに産んであげられなかったんだろう”って、どうしようもない悔しさが込み上げるときもありますから。これは、娘と彼女を産んだ私にしかわからない痛みです。

だけど、一度きりの人生なら泣いて過ごすより、笑って過ごしたほうが絶対にいい。もし私たちと同じ境遇の人がいたらいつでもお話を聞きますし、“つらいよね、嫌だよね”ってこぼし合いたいとも思います。でも生きてさえいたら幸せなことはたくさんあると思うし、“きっとなんとかなりますよ”って、心からお伝えしたいです」

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