身長160センチの男性が｢背伸び｣をやめたわけ 結婚式場で受けた｢セッシュだね｣という屈辱

ところで、総務省が発表した「国民健康・栄養調査」（2018年）によると、日本人男性の平均身長は20歳で169.1センチ（女性は157センチ）。24歳では171.5センチ（同157.5センチ）となり、以降49歳までは171～173センチ（同158～160センチ）ほどの間で推移する。

男性の場合は“170センチ”をボーダーラインに、「せめてこのくらいは欲しい」と思う人が多いようだ。悩める男性たちに応えるための“高身長を叶える靴（シークレットシューズ）の専門店”も存在する。くだんの雄一さんも、こうした店をのぞいたことがあるという。

シークレットシューズを取り巻く状況

神奈川県・横浜市で「シークレット靴専」を運営する株式会社カラダ快適研究所運営統括責任者の針生裕己さんに、最近のシークレットシューズを取り巻く状況を訊いた。

「もう30年くらいシークレットシューズを扱っていますが、ここ最近、動向がかなり変わってきたと感じます。もちろん、コンプレックスをお持ちでこっそり……という方もいらっしゃいますが、それよりもっと明るく、ファッションアイテムとしてシークレットシューズをお求めになる方が増えました。女性がヒールを買う感覚に近くなったように思います。“こういう服に合わせたいから、ちょっと身長も高めに見せたい”というようにオープンに見に来られる方が多いですね。

たとえば、男性用のかつらなどはどうしても雑居ビルの上階に店を構えるケースが多いのですが、ニーズの変化を感じたからこそ、こうした路面店の出店に踏み切りました。女性のお客様もたくさんいらっしゃいますよ」

「いつもの服をモデルのように着こなしたい」という女性もいれば、「メンズファッションが好きなので、背を高めに見せたい」という方、「推しキャラの身長に合わせてコスプレするため」という方、あるいは「背が低いのでスタンディングのライブに行くときに履きたい」といった方々が店を訪れるという。

また、男女問わず「バイクにまたがったとき、足が地面につきやすいように身長を調整できる靴を買いに来た」という方もいる。