身長160センチの男性が｢背伸び｣をやめたわけ 結婚式場で受けた｢セッシュだね｣という屈辱

少し前も「身長170センチ以下の男性は人権がない」などという発言がネットで炎上していたが、男性にとって身長とは何なのだろうか。

「どうして男性ばかりが背の低いことで悲しい思いをしなきゃいけないんだろうって、僕も考えたことがありますよ。男の身長問題に匹敵する悩みが、女性にもあるのかなと。たどりついた答えが、女性の場合は身長じゃなくてバストなのかもしれないということです。男の身長も、女性のバストも、大きかろうが小さかろうが気にしない人はまったく気にしないけど、深刻に悩む人もいれば、高身長や豊満なバストを持たない人を“男らしくない”とか“色気がない”とか言ってからかう人もいますよね」

品定めをする人々

“男性の身長コンプレックスに相当するものが、女性の場合はバストではないか”という雄一さんの説にはうなずける気がした。

私も、かつて在籍していた会社で不快な思いをしたことがあるからだ。

たしか、社員旅行で温泉旅館に宿泊した際のこと。私は浴場から客室に戻るエレベーターで男性社員たちと乗り合わせた。そのうちのひとり、“お調子者”として有名な男性が、私をいちべつするとサッと目を逸らした。何かと思って見ると、彼は1枚の紙を持っていた。

私に見えないよう裏に向けていたが、エレベーターの照明はその内容をくっきりと透かして見せてくれた。“編集部巨乳ランキング”という文字が躍っている。上位からプロポーションの良い女性スタッフたちの名が並び、私の名前は“圏外”にあることがわかった。ほろ酔いの男性たちは、おもしろおかしく女性たちの品定めをしていたのだろう。

悔しいとか妬ましいということではなく、私はなんとも情けなく不愉快な思いに震えた。

あのときの、「胸のないお前は女としてはB品だ」と雑に仕分けされたような口惜しさ。それはきっと、雄一さんが身長で感じるものと似ているのではないか。