20代を犠牲にしてわかった怪しいビジネスの裏側 なぜ真面目で仕事のできる人が闇落ちするのか
ごく一部だけが儲かり、ほとんどの人が損をする仕組みとなっているのが、ネットワークビジネス。かかわった人たちには「ダマされたほうが悪い」という厳しい言葉が向けられがちだが、何も知らなくて入ったという同情すべき点もある。
もしそんなネットワークビジネスにかかわってしまったら、どうすればいいか。全米でベストセラーになり、日本でも話題沸騰の『マッピング思考』の著者ジュリア・ガレフは、「パラダイムシフトによって異常な環境を抜け出すことができる」と、説く。
99%が損をしてしまう不可解なビジネス
20代前半のドナは、レストランで働いていたときに、スキンケア製品を扱うロダン+フィールズ社の採用担当者から、「個人事業主形態で販売代理人にならないか?」というメッセージをもらった。
レストランの仕事に不満があるものの、代わりに何をすべきかがわからない状態だったドナにとって、まさに渡りに船だった。彼女が住んでいた小さな田舎町には、ほかにいい仕事の口もない。
契約書にサインし、会社に強く勧められるまま、「販売のノウハウ」を学ぶためのスタートアップキットを1000ドルで購入した。そのときドナは、ロダン+フィールズが「MLM(マルチレベルマーケティング)」と呼ばれるネットワークビジネスを行う会社であることを知らなかった。
数字は残酷な現実を物語っている。米連邦取引委員会の調査によれば、MLMの会員になった人の99%以上が、ビジネスを始めるために投資した金額を回収できずに撤退している(それに加えて、このビジネスに投資した時間も失うことになる)。
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