大学3年生が海外インターンで学んだこと フィリピンを経てマレーシアの日系企業へ

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また、会社のオフィス内は日本人をはじめとして、マレーシア人、マレーシア在住のイラク人、タンザニア人とインターナショナルで刺激的だった。

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職場での加藤さん

「ローカルのスタッフと仕事するのは、とても新鮮な経験でした。よく私たち日本人と、ローカルの彼らと意見がぶつかることもあります。しかし、彼らは現地のことをよく知っているんです。そこから文化や価値観の違いを感じるのは本当に面白いです」

加藤さんはこれらの経験は海外に出たからこそ得られたものだった、と振り返る。

「海外に来ると、自分がゼロになれます。どこの大学や出身というバックグラウンドより、 新しい土地で本当の自分と向き合うことができる。ここにいると、自分は何者で、何がしたいのかという話をする機会をたくさん持ちます」

3月には帰国して就職活動が始まるが、 海外と日本をつなげる仕事がしたいと考えている。加藤さんは、海外に出て日本は本当に素晴らしい国だということに気がついたが、日本の側に海外からの人達を受け入れる土壌が育っていないと話す。

日本のことを愛する人が多い!

「フィリピン、マレーシアで、日本のことを愛する人達を驚くほどたくさん見てきました。しかしたとえば、日本が心から大好きで日本語を身につけた優秀な人たちが、実際に日本に来ると、独特な文化や環境が合わず、数年で母国に帰ってしまう。外国人というだけで不親切な対応を受けたという留学生もたくさん見てきました。多国籍・多民族国家のマレーシアでは、ほとんどの国民が海外からの人にオープンな思考を持っているため、自分は外国人でありながら非常に生活しやすい環境でした。今後は、このような課題にアプローチし、日本と海外をより近くすることに貢献したい」

最後に、これから海外に出ようとする学生にアドバイスをしてもらった。「とりあえず海外に出てみることも大切だと思いますが、その前に一度、そこで自分は何を得たいかということを考えたほうがいい。そして、海外に出たときには現地にいる人との出会いを大切にしてください。積極的に出会いを求め、たくさん話をして、自分の視野が広がっていくのを感じてほしいです」。

加藤さんの言う通り、学生時代における海外経験は、視野を広げることになる。そのことが将来、必ず役に立つことだろう。

野本 響子 ジャーナリスト

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のもと きょうこ / Kyoko Nomoto

東京都立青山高校、早稲田大学法学部卒業。安田火災海上保険(現損保ジャパン)を経てアスキー入社。『MAC POWER』(アスキー)、『ASAHIパソコン』『アサヒカメラ』(朝日新聞出版)の編集者を経て現在フリー。『僕がアップルで学んだこと』『企業が『帝国化』する』(ともに松井博著/アスキー新書)編集。著書に『いいね!フェイスブック』(朝日新聞出版)、『マレーシアの学校の○と× アジア子連れ教育移住の第一歩』(Kindle)ほか。1990年代半ば、仲良くなったマレーシア人家族との出会いをきっかけに、マレーシアの子育てに興味を持ち、現在クアラルンプール郊外に長期滞在中。趣味はオーケストラでの楽器演奏。

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