先の読めない会社に欠けている"考え方のクセ" 企業が持続的に成長するために必要なこと
しかし、そこで得た情報をまとめた調査報告書がほしいわけではない。自分がいない世界の未来を考えても仕方がない。ほしいのは、ある程度の妥当な分析や予測にもとづいたうえで、あなたの仕事や生活がどう変わるかという「あなた自身のストーリー」だ。未来を創り出すためには、自分や自分の会社の未来を、「自分ごと」として思い切り「妄想」することが出発点となる。
10年後・20年後の未来には、あなたの仕事内容も変わっているはずだ。あなたのいる会社や業界が残っているかも怪しいかもしれない。せっかく未来を妄想するのだから、今の部門や仕事の枠に囚われずに、大きな視野で妄想してほしい。業界の枠も外して考えてみよう。
また、未来を妄想するときには、徹底的に具体化して考えよう。たとえば、「ロボットの活用」という「ビッグワード」で思考を止めてはいけない。「ロボットを使ってどの製造プロセスを改革したいか」「未来にはロボットはどこまで進化しているのか」「その進化を前提とすると、製造プロセスはどう変化するか」「その未来の製造プロセスでこんな新しい製品を作ることはできないか」「その製品は、さらにこんな場面でも活用できないか」、というようにどんどん妄想を深めていこう。
もちろんこうした妄想がすべて当たるわけではない。しかし具体的に考えを深めていくことで、妄想はより広がり、そして現実的なものとなっていく。
時間・空間的な視野を広げる
未来創造に近い言葉に「新規事業」がある。新規事業では、今ある不満や不具合の解決をテーマに、今ある技術を前提として、3年から5年後くらいでどこまで事業領域を広げられるかを考えることが多い。もちろんこれも価値ある検討だ。
それに対して、未来創造は、もっと広い領域で、長い時間軸で、高い視野から、大きく考えるものだ。10年後、20年後、30年後には自分の会社の事業領域も変わっているはずだし、未来を創り出すためには、今の部門や組織の枠を超えて、他の組織を巻き込む必要もあるはずだ。
未来創造の検討では、時間・空間的な視野を広げて、「未来にはここまでトライしたい!」という妄想を膨らませてみよう。
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