トランプは中間選挙後「オワコン」になったのか 「元トロツキストの保守思想家」も予言した構造

ポピュリズムは「症状」にすぎない
11月のアメリカ中間選挙ではトランプ前大統領が前面に出た共和党は振るわず、前大統領は「オワコンか」との見方がもっぱらだ。果たしてそうだろうか。
このたび上梓されたマイケル・リンド著『新しい階級闘争』は、欧米を席捲するポピュリズムの背景について再考を促し、社会の分断を乗り越える道筋を示す論争的な書だ。
トランプ前大統領の登場や、英国のEU離脱は、経済グローバル化で苦境に追い込まれた労働者階級が右派に扇動されて起きた反乱であり、欧米社会の左右の激しい分断を象徴するといわれてきた。
著者は、そうした単純な見方を否定する。トランプら煽動者によって引き起こされたポピュリズムは「症状」にすぎず、その原因となった「病気」に目を向けるよう促す。その病気とは「テクノクラート新自由主義」だ。
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