「デキる人」だけが知る「自分を変える」意外な手段 チャッターは感情とパフォーマンスに影響する

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

結果的にパフォーマンスがうまくいかなかったときも、自分の内側で何をしゃべっていたのかを問いかけていくと、見えてくるものがあります。物事がうまくいったときと、いかなかったときで、どうチャッターが違ったのかを探っていくのです。

感情が高まったときは、自分の内側で起こっていることの感度も高まりますから、そのとき、何が起きていたかをしっかり振り返ってみると、さらにはっきりしてきます。

自分の中に「良いコーチ」を持とう

コーチングは、その方が持っている前提を崩して、新しい行動をとっていけるよう、変容を起こすことを目的として行います。

長い間、成功体験を積んでこられた方は、自分の中に「こうすればうまくいく」といった成功の法則、前提があります。その前提をベースにして、ルーティンが生まれ、同じことを繰り返します。それがうまくいっているときはいいのですが、環境の変化によってこれまでのやり方が通用しなくなることもあります。つまり、変化する環境に対応するには、行動を変える必要があるのです。

そのためには、自分の中の前提を認識して、それを崩し、突破しなければなりません。成功者であり続けるためには、その挑戦をやらなければならないのです。

また経営者自身が、自分の周りのメンバーや管理職に対して、前提を崩し、突破させられるかどうかも重要です。

『理想の自分をつくる セルフトーク マネジメント 入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

そこで大切なのは、「主体化」です。主体化とは、動的なプロセスです。「いま私は主体的になりました」というものではありません。組織の中で、自らが変革を起こしていく主体として常にバージョンアップしている状態、そういう状態になるプロセスが「主体化」なのです。

ですから、コーチングを受けているときだけではなく、自分の前提はどこにあるのか、どう変わる必要があるのかを、定期的に自分自身で確認できるようになっていくことが重要です。

『チャッター』に書かれていますが、要するに、頭の中のおしゃべりは自分の中にコーチがいるようなものなのです。それが良いコーチなら、良いパフォーマンスにつながりますが、自分に危害を加えるモンスターではコーチの存在の意味がありません。

本書は、自分の中に起きている言葉に意識を向け、自分の感情やパフォーマンスが変えられるのだということに対して、気づきが起きるように書かれています。

自分の中のコーチを、いかに良いコーチにできるかということ、そこに多くの人に気づいていただけたらと思っています。

(構成:泉美木蘭)

鈴木 義幸 コーチ・エィ代表取締役 社長執行役員

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

すずき よしゆき / Yoshiyuki Suzuki

慶應義塾大学文学部人間関係学科社会学専攻卒業。株式会社マッキャンエリクソン博報堂(現株式会社マッキャンエリクソン)に勤務後、渡米。ミドルテネシー州立大学大学院臨床心理学専攻修士課程を修了。帰国後、有限会社コーチ・トゥエンティワン(のち株式会社化)の設立に携わる。2001年、法人事業部の分社化による株式会社コーチ・エィ設立と同時に、取締役副社長に就任。2007年1月、取締役社長就任。2018年1月より現職。

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事