「デキる人」だけが知る「自分を変える」意外な手段 チャッターは感情とパフォーマンスに影響する

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コーチングなどを受けて、自分が何を考えているのかがはっきりすると、自己認識が高まり、少なくとも「では、どう捉えれば自分の感情やパフォーマンスを変えられるのか」というところに行きつきます。

つまり、変わるための第1ステップは、「自分がどういう状態なのか」を認識することです。人は、偶然変わることもあるかもしれませんが、基本的には、現在地を自己認識できていなければ、変わることができません。

社会的に成功している人の多くは、リチュアル・クエスチョンという儀式的な問いかけを自分自身に投げています。

決まったタイミング、たとえば寝る前に「今日の自分は、昨日知らなかったことについて、何か知っただろうか」など、決まった問いを自分に投げかけるものです。

それをやると、例えば「今日は何も新しいことを学ばなかった」「それはなぜだったのか?」「じゃあ、明日はどうしようか」など、自己認識が深まります。意図的な自分との対話によって、生み出せるものがあるわけです。

チャッターを静めパフォーマンスを上げる

スポーツの世界のように、パフォーマンスを上げることが最重要課題である分野では、自分の内側の声、つまりチャッターやセルフトーク™をいかにコントロールして、パフォーマンスを上げる方向につなげるかということが語られています。

例えば、プロゴルファーのアニカ・ソレンスタムは、ティーショットの際、チャッターで頭の中が騒がしくなってしまうことを防ぐため、「ボールから50センチ四方に入ったら、もう何も考えない」と決めて打つと言います。

ルーティンをこなすことに意識を向けると、チャッターを静める効果があるのです。イチロー選手が、朝カレーを食べて、一連のルーティンをこなしてからバッターボックスに入るという話も、チャッターを静め、パフォーマンスを上げることに寄与しているでしょう。

ビジネスパーソンも、アスリートと同じように考えることができます。

ビジネスの現場でわかりやすいのは、パフォーマンスが明確に発揮される直前ですね。例えば、大事なプレゼンや商談、役員への提案、提言などを行う前は、緊張したり、胸がドキドキしたりするのを抑えたいと思うものです。

そのように自分が思ったようなパフォーマンスを発揮したい場面で、うまく自分をコントロールし、高いパフォーマンスを出せるようにするためには、チャッターを意識すること。それがとても使える手段だということを、まずは知っていただきたいですね。

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