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キャリア・教育 #「挫折」というチカラ

退部者続出!崩壊寸前から「箱根で優勝」できた訳 青学の原監督が悔やむ「3年目の戦略ミス」

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  • 原 晋 青山学院大学 陸上競技部長距離ブロック監督、地球社会共生学部教授
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ここで重要なのは、自分が達成できなかった事実は事実として言い訳せずに、「できたこと」、「小さくとも結果が出ていること」をきちんと相手にアピールすることです。ビジネスパーソンであったら、ノルマが達成できてなくとも、そこまでの道のりで努力したこと、功を奏したことを説得力ある言葉で伝えることです。

これはできなかったことを隠したり、問題を矮小化しろということではありません。「これはできなかったけど、これはできました」という否定と肯定を嘘偽りなく話した上で、「できたこと」により焦点を合わすのです。

人は前向きな態度、直向きな情熱に心を動かされるものです。前向きにできたこと、変わったことにフォーカスすることは、自分にとっても相手にとってもいい影響を与えるのだと思っています。

共振してくれる「同志」を見つける

こうした挫折の経験の中で、1つ気づいたことがあります。

3年目の成績は誰が見ても惨敗でした。それでも、私がやろうとしていることの核に気づいて、共感してくれる人は、必ず現れたということです。

まだ結果に表れていないけれども、取り組みは着実に実を結びつつある。私自身はそこに自信も裏付けもありましたが、傍から見れば言い訳だと思われても仕方ありません。それを外部要因のせいにすることも簡単ですが、私はそうはしませんでした。

自分の信念のもとで一貫した行動を取っていれば、そのことを見ていてくれる人がいるというのは、挫折の中の救いです。

例えば、こんなこともありました。当時あるマネージャーに「監督、みんなの前で謝ってください」と言われたのです。大会の結果が悪いのはすべて監督であり、監督の失敗を懺悔してくれといわんばかりでした。

私自身、結果を出せなかったのだから謝ろうかと思っていたところ、妻は「謝る必要はない」ときっぱりと言いました。「あなたは一生懸命やっていて悪いことはしていないのだから、凛とした対応を取るべきだ」というのです。

その当時、予選会では負け続け、選手も「このまま原という人間についていっていいのだろうか」という迷いもあったのだと思います。しかし一方選手たちも、「やるべきことを一生懸命やっていたか」というと、そうとは言えない部分もありました。妻は監督である私の指導と選手たちの姿勢のバランスを見て、「謝らなくてもいい」と考えたのだと思います。

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【「勝つためには改革と覚悟が必要」主将の言葉】

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