「プラスチックを加熱する人」が知らない健康被害 感熱紙レシートや化粧品、加工食品にも注意
プラスチック製品を使うときは、底にあるリサイクルコード(プラスチック材識別マーク)を見て、どのような化学物質が使われているかを知る手がかりにしよう。
トラサンデ氏は、フタル酸類が使われている可能性のある3番、ビスフェノール類が使われている可能性のある7番、スチレンの6番を避けるよう推奨している(東洋経済オンライン編集部注:日本では番号による表示は行われていない。材質記号がついている場合は、PVCが3番、PSが6番、PCなどが7番に相当する)。
発泡スチロールなどに含まれるスチレンは、アメリカ国立衛生研究所によると、人間に対する発がん性が「合理的に予想されている」ものだ。トラサンデ氏はまた、プラスチックラップを避け、傷や摩耗の兆候があるプラスチックは捨てるよう勧めている。
対策3:プラスチックを加熱しない
電子レンジで加熱したり、熱い食べ物のために使ったり、食器洗い機で洗ったりしてプラスチックに熱を加えると、有害な化学物質がプラスチックから溶け出して食べ物や液体に混入する可能性が高くなる。
対策4:ビニール製品の使用をやめる
ビニール製のシャワーカーテンを使っている場合は、布製のものに変えることで家庭内のフタル酸類を簡単に減らせるとハーレイ氏は言う。滑り止め付きのバスタブ用マット、赤ちゃん用のプレイマットやランチョンマットなどに含まれるビニールにも注意し、別の素材でできた製品を選ぶようにしたい。
感熱紙のレシートも危ない
対策5:レシートに必要以上に触らない
レシートには感熱紙が使われていることが普通だが、感熱紙には皮膚から吸収される可能性のあるビスフェノール類が含まれている。疫学者でブラウン大学「子どもの環境衛生センター」の所長でもあるジョセフ・ブラウン氏は、レシートに触れる量を減らし、子どもにもレシートで遊ばせないようにすることが、暴露を減らす小さな一歩になると指摘する。
対策6:プラ製のおもちゃを口に入れさせない
柔らかいプラスチック製のおもちゃに含まれていたフタル酸類のおもちゃへの使用はアメリカでは2008年に禁止された。ただ、6カ月から1歳くらいまでの、何でも口に入れたがる時期の赤ちゃんには、プラスチック製ではなく木製やシリコン製のおもちゃで遊ばせるようにしたい、とサティアナラヤナ氏は話す。同氏によると、プラスチック製のおもちゃで遊ぶだけなら問題はないそうだ。