また、私の場合は自分自身を核とするビジネスモデルを作りながら、自分でできないことはアウトソーシングする形をとっています。2003年の独立起業当時から、そのスタイルは基本的に変わっていません。人によって独立のスタイルは千差万別ですが、ビジネスモデルだけはたとえ周囲から何を言われようとも、自分のオリジナルで組み立てるべきです。
とくに独立当時は、すぐに人を雇用して全員で会社を大きくしていくのが大事という流れが一般的だと思いますが、私は自らの考えで会社経営していくことを大切にしていました。
振り返ると、2000年前後は独立したらすぐに従業員を10人、30人、50人、100人と増やし、会社を大きくしながら売り上げも同時に拡大していくというのが既定路線でした。それでも私はあえて「社長兼プレーヤー」として継続していこうと考えました。社長でありながら、最前線に出るプレーヤーとして生涯現役を目指そうというのが、私の独立した際に計画したビジネスモデルでした。
そんな私に対して、かつて同業仲間からは「佐藤さん、社長兼プレーヤーは大変だよ」「キツイよね」と揶揄されたものです。しかし私は、会社を大きくすることはそれほど頭にありませんでした。
なぜなら、あくまでも私個人の考えですが、人材サーチは上場するビジネスではないと確信していたからです。そういう揺るがない想いを独立当時から抱いていたから、ここまで続けることができたのだと思います。
役員経験が独立への背中押す
冒頭にも述べたように、私は独立する前に老舗の人材紹介会社に転職をしています。そこでは取締役を経て、最終的に常務取締役として3年程度務めました。独立して自分で会社を立ち上げる前に、小規模の会社に席を置き、役員経験を積むことをぜひともおすすめしたいと思います。私が転職した当時、この人材紹介会社は20人くらいの会社でした。この小さな会社で役員を務めた経験が、独立した際にものすごく生きたと思っています。
私がかつて在籍していたメーカーは、誰もが知る大きな会社です。そんなグローバルな企業から、20人くらいの小さな会社に入ったわけです。最初に営業の際に企業説明から入る必要がある点も大変勉強になりました。
また役員になるということは、会社の経営を担う立場になることです。社員に給与を払うことに対して、自らも責任の一担を持つ必要が出てくるわけです。会社に対する責任感が大変強くなりますし、自分が頑張らなければ会社が回らないので、当然のことです。
もし現在独立を考えている方で、将来独立したい思いがあるなら、次のステップとして私は中小企業やベンチャー企業に転職して役員を目指すことをおすすめします。私自身もそうでしたが、自分が頑張らなければ社員の雇用を維持できないという感覚は、実際に役員の立場になって初めて理解ができたことでした。
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