静岡の自動車学校にブラジル人が集まる納得理由 ポルトガル語に対応する指導員がそろう

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静岡県セイブ自動車学校(写真:静岡県セイブ自動車学校提供)
先行きが見えない時代、企業によっては、生き残るためリストラを余儀なくされるケースもあるようです。しかし、40年以上にわたって8000社を超える企業研究・現場調査をしてきた経営学者の坂本光司氏によると、中小・中堅企業、また地方の企業であっても数々の困難を乗り越えてきた会社は、必ずと言っていいほど「人にやさしい経営」を行っているといいます。そんな企業の1つである「静岡県セイブ自動車学校」について坂本氏の著書『日本でいちばん大切にしたい会社8』より抜粋して紹介します。

浜松駅から車で30分ほど走った浜名湖の近くに、全国各地から注目されているユニークな自動車学校があります。緑豊かな場所にあるこの自動車学校の敷地面積は1万5000坪という広大さで、メインの教習コースは直線でなんと310メートルもあります。全国の自動車学校のなかで、最も長い直線教習コースです。これが静岡県セイブ自動車学校です。

統計を見ると、2000年に1508校あった自動車学校(指定自動車教習所)は、2021年の末には1300校に激減。この22年間で208校、率にして14.8%、大幅に減少しました。つまり、毎年47都道府県のどこかで、9校もの自動車学校が倒産、あるいは廃業していることになります(警察庁「運転免許統計」)。

そのなかで静岡県セイブ自動車学校は、ゆっくりではありますが着実に業績を伸ばし、社員数も100人を超える企業にまで成長しました。

幼少期からの苦境を胸に、やさしい経営を追求

この会社が「人にやさしい経営」を行う背景には、社長である早川和幸さんの、幼少のころからの想像を絶する体験がありました。

早川さんの母親は、早川さんが小学4年生のときに家を出ていき、二度と戻ってくることはありませんでした。父親は3人の子供を浜松市の郊外(旧浜北市)に住む姉夫婦に預け、自分は浜松駅近くの肉屋さんに住み込みで働くことにしました。

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