水族館の超人気者「イルカ」たちの過酷すぎる生涯 イルカ飼育大国・日本に住む私たちが知るべき現実

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ドルフィントレーナーに顔を踏まれるハンドウイルカ(@Life Investigation Agency/Dolphin Project)

太地町においては、ドルフィントレーナーがイルカの頭や顔を踏んでいる姿を何度も目撃しました。犬や猫、馬など愛玩どうぶつには行わない行為ですが、ショーの最中、お客の前では親しく触れあっているように見えるイルカへの日頃の対応の乱雑さには驚きを覚えます。

トレーナーがいない、それ以外の大半の時間のイルカの様子も痛ましいものがあります。

イルカたちは縦横12メートルほどの1つのイケスに、多いもので7頭が入れられています。このイケスは四角錐で、下にいくほど狭くなっており、体長約3メートルのイルカにとって非常に狭いものです。

この狭いイケスの中では、イルカたちは上下にプカプカと浮いているか、ひたすらぐるぐる回っていることしかできません。

野生のイルカは、仲間と共に大海原を1日数十キロも移動しながら自由に生きています。それが狭いイケスに入れられて、このような特殊な生活を強いられるわけです。

太地町開発公社の12メートル四方のイケスには、1つあたり5〜7頭のイルカが飼育されている。森浦湾には、このイケスが60個ほど設置されている。イルカたちは餌やりの時間以外はプカプカと浮いていることも(@Life Investigation Agency/Dolphin Project)

イルカの飼育環境について、太地町開発公社と太地町立くじらの博物館に取材を申し込みました。しかし「取材はいっさい応じていない」(太地町開発公社)、「先日、FAXにてご連絡いただきましたご質問の件については、ご回答を控えさせていただきます」(太地町立くじらの博物館)とのことでした。

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