偽善とFIFA会長は喝破、欧州「カタール批判」の矛盾 中東のオイルマネーへの依存度は高まるばかり
例えば、フランスはカタール大会で人権侵害などに抗議する形で各都市のパブリックビューイングを取りやめたが、すでにフランスのクラブ、パリ・サンジェルマン(PSG)はカタール・スポーツ・インベストメントがオーナーになって以来、豊富な資金力に物を言わせ、ネイマール、メッシ、エムバペという世界トッププレーヤーを擁し、フランスのサッカーファンに恩恵をもたらしている。
アラブ首長国連邦(UAE)のシェイク・マンスール氏は、欧州サッカー連盟(UEFA)クラブランキング1位であるイングランドのマンチェスター・シティのオーナーだ。マンスール氏は現在、マンチェスター・シティのほか、アメリカのニューヨーク・シティ、オーストラリアのメルボルン・シティ、日本の横浜F・マリノスなどにも出資している。
サウジアラビアの政府系ファンドは昨年、イングランドのニューカッスル・ユナイテッドを買収し、シェフィールド・ユナイテッドもサウジの王子が所有している。イラン人実業家のファルハド・モシリ氏は、2016年にエバートンの主要株主となった。
また、中東系のエミレーツ航空、エティハド航空、カタール航空はいずれも、ヨーロッパのサッカークラブと大型契約を結んでいる。
サッカーへの投資は非常に有望
ヨーロッパのサッカービジネスへの投資は有望視され、同地域のサッカー市場の営業収益はわずか8年間で65%も増加した。そのため湾岸諸国は過去13年間にわたってヨーロッパのサッカーチームに多額の投資を行ってきたことでヨーロッパとの関係を深めた。
イギリスの経済誌『エコノミスト』の2020年のレポートによると、湾岸諸国の今後10年間の観光開発における重要な手段として、サッカーを含むスポーツ投資が非常に有望と分析している。
湾岸諸国が所有するPSGやマンチェスター・シティが、スター選手とともにチーム練習で定期的に湾岸を訪れ、施設も充実し、地元を活気づけ、観光スポットとして世界的にも宣伝効果を上げている。
ヨーロッパのサッカークラブへの投資は、西側世界での湾岸諸国の評判を確実に高めており、カタールW杯は提供されるホスピタリティ、次世代型の洗練された都市の設備で湾岸諸国の国際的評価を押し上げるチャンスが到来している。
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