グローバルプレイヤーとしての日本 北岡伸一著 ~全体像を整理し実践的な知恵を提示

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 グローバルに見る。それは、アジアやアメリカ、そしてアフリカについてのまとまった分析が示している。また、国連と日本との交わり、PKO(国連平和維持活動)やODA(政府開発援助)の歴史と現状、そして05年前後の国連安保理改革の問題などが幅広く、かつ要点を析出させながら論述されている。

中でも焦点は中国ということだろうか。中国は、過去には反覇権を唱え、現在も平和的台頭というスローガンを掲げているにもかかわらず、軍事力の増強は強烈であるし、現実の行動ははるかに不透明だからである。

こうした新しい世界とアジアの情勢に日本はどう向き合うのか。外交、なかんずく安全保障にかかわる日本の戦後体制はどう改革すべきか。

「無意味な自縄自縛」から脱してグローバルプレイヤーを目指せという著者の指摘は、一読に値する。著者は日本政治外交史の大家であるが、国連次席大使を務め、また種々の重要会議にも参画してきた。深い学識と実務経験を架橋する卓越した力量が、本書の随所に示されている。

きたおか・しんいち
東京大学大学院法学政治学研究科教授。専攻は日本政治外交史。1948年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士課程修了。米プリンストン大学客員研究員、立教大学法学部教授などを経て、現職。2004~06年国連次席大使。

NTT出版 2415円 338ページ

  

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