グローバルプレイヤーとしての日本 北岡伸一著 ~全体像を整理し実践的な知恵を提示

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グローバルプレイヤーとしての日本 北岡伸一著 ~全体像を整理し実践的な知恵を提示

評者 野中尚人 学習院大学法学部教授

 2010年のGDPで中国が日本を抜いて世界第2位に躍り出た。時間の問題とは言え、やはり現実となったことにはいささかのショックを覚えた方もいたかもしれない。尖閣諸島での中国漁船と海上保安庁の巡視船との衝突事件は、ビデオの流出という問題も絡んで重大な政治イシューになったことも記憶に新しいところである。

また、北朝鮮をめぐる不安定な情勢や北方領土についてのロシア側の強硬姿勢、さらに目を中東に転じれば、民主化要求の巨大なうねりが起こっている。

本書は、冷戦後の21世紀の世界で、日本はどのような役割と立場を目指すべきなのかを丁寧に論じたものだ。そしてその答えは「グローバルプレイヤー」である。経済だけに偏らず、アメリカだけに依存せず、アジアを超える世界を視野に入れるべきだとの主張である。

著者が言うとおり、冷戦は単に米ソを中心とする対立だったのではなく、一つの秩序だったことは間違いない。そして、冷戦後の世界は、軍事力の逆説が起こり、グローバルエコノミーにも逆説が生じる一方、民本主義の難しさが改めて意識され、そして、唯一の超大国と目されたアメリカの失敗も明らかとなった。

一言で言えば、われわれが生きている時代は過去の尺度では測りようもないほどに変貌し、また混沌としているということであろう。本書のすばらしさは、そうしたわかり難い全体像を的確に整理し、そして実践的な知恵を提示していることにある。

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