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贅沢?子どもに「地方で自然体験」させる深い意味 勉強漬けの毎日では学べないことがそこにある

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  • 中野 円佳 東京大学男女共同参画室特任助教
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海に「行きたい」と回答した人の特徴として、子どもの頃に年に2~4日以上海に行っていた人(63%)や子どもの頃の「楽しい海の思い出を持っている」(86%)人が多い。しかし、この海に「行きたい」回答者でも、自身の子に「十分に海体験を提供できている」と感じている親は25%にとどまり、その理由として、「海まで時間がかかる」(45%)、「大人が忙しい/大人が休みが取れない」(40%)などがあげられている。

公立の学校もまた、「海の近くに保養所などを持っている自治体ですら、安全管理などの面で海に入るところまで実施する学校は少ない」(日本財団海洋事業部・中嶋竜生部長)という。

日本財団は、日本人の生活を支えている海を守るためにも、こうした状況を改善する必要があると考え、黒潮実感センター等の団体の助成をしたり、格差を埋めるために公立学校等にプログラムを提供したりしている。

神田さんは日本財団や笹川平和財団とも連携し、全国各地の小中高等学校に海の出前授業も実施している。

「都会や内陸部などの海のないところ、海に近くても海は危険なところなので行ってはいけないと隔離されていて海のことを感じられない子供のところなど、全国あらゆるところに行って海の楽しさ、おいしさ、海が抱える問題などについて、海の匂いがする授業をしたい」と神田さんは語る。

国として体験への投資を

課題としては、こうした体験学習に価値を感じたとしても、交通費も含めそれなりの金額を支払える家庭に対象が限られてしまうことだ。

(写真:筆者撮影)

神田さんの夏のプログラムの参加費は1人33000円。これに別途、民宿などに直接支払う宿泊費がかかる。

それでも、運営はカツカツだ。神田さん夫妻以外は、地元の元教師や、かつてのサマースクール卒業生、地元の高校からのボランティアスタッフが支える。

「本当は常勤スタッフを雇用したり、サマースクール用の会場にできる施設を建てたりしたい」(神田さん)が、ボランティアや公民館などを借りるなどでまかなう。

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【ほぼ無償で「海の寺子屋」という授業も行っている】

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