「つるとんたん」33年経っても人気が衰えないワケ 渋谷スクランブルスクエア店は連日大行列

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うどんのほかに酒のつまみとなるアラカルト料理やコース料理も提供する。予約も受け付けているが、4500円〜のコース料理の注文が条件。並ぶ人が多くなる理由の1つでもあるだろう。

コース予約のみで利用できる個室は2面がガラス張りになっている(撮影:尾形文繁)

客単価は昼なら千数百円、夜は6000円程度だ。

接待や会食での利用も多く、コロナ前はインバウンド客からも人気があった。食事だけでもよし、お酒の席にも対応できるなど、用途が幅広いのが持続的な集客力につながっているのだろう。

コロナ禍でも客足がそれほど落ちなかった

また立地や、接客を含めた店舗空間も単価6000円を基準として設計されていることになる。うどんだけを食べる若者からも「コスパがよい」と支持される所以だ。ただ、昼にうどんを食べた客でも、味や雰囲気がよければ「夜も行ってみたい」と考えるだろう。つまりうどんメニューは、居酒屋が行うランチ営業のような客寄せの役割も果たしていることになる。

なお、従来はグループ全体で年商250億円だったところ、2021年は190億円程度に落ち込むなど、コロナの影響を大きく受けた。その中で、つるとんたんはうどんというメニューの特性上、食事利用という位置づけが功を奏したようだ。立地により影響を受けた店舗はあるが、渋谷の店舗についてはコロナ禍でも客足がそれほど落ちなかったという。

同店を特徴づけているのが、料理のほか接客や空間デザイン、音楽、香りなどを含む総合的なオペレーションだ。というのも、つるとんたんでは18店舗それぞれ立地に合わせたコンセプトを設定している。例えば歌舞伎町の店舗はライブがコンセプト。ライブステージやバーカウンターを設け、ライブを楽しみながら食事ができる。

渋谷店のコンセプトは次世代カルチャー。柱にデジタルサイネージが設置され、渋谷のスクランブル交差点の風景を映し出す。DJが使うような音楽機材も渋谷らしさを演出(撮影:尾形文繁)

軽井沢にある店舗は初のリゾート型店舗として、ペット同伴可の客席やバーベキュースペースを設ける。暖炉も設えられるなど、うどん店とは思えないゴージャスさだ。

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