アマゾン「一番の稼ぎ時」に1万人も解雇する事情 業績の伸びが20年ぶりに大幅に鈍化している

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縮小

アマゾンのドル箱であるクラウドコンピューティング事業を率いてきた経験を持つジャシー氏は、早い段階からコストを削減するために事業を細かくチェックしてきた。同氏は当初、パンデミック時に超強化された倉庫の拡張を撤回し、その後、同社の他の部分の見直しに取り掛かった。

ブルームバーグによると、400人を雇用していたクーラーサイズの宅配ロボット「スカウト」や、30年間縫製用品を販売してきた子会社「ファブリック・ドットコム」など、ここ数カ月でアマゾンは多くの事業を閉鎖または縮小している。

同社は主に時間給のスタッフを中心に、4月から9月までの間に8万人近くを削減している。

突然の決定に採用側も困惑

アマゾンは9月にいくつかの小規模なチームでの採用も凍結している。10月には、中核の小売り事業で1万人以上の募集を停止。さらに、2週間前には、クラウドコンピューティング部門を含む全社的な採用活動を今後数カ月間凍結するとした。

ニューヨーク・タイムズ紙が入手した文書のコピーによると、この知らせはあまりにも突然のことで、同社の採用担当者が求職者向けの説明書を受け取ったのはほぼ1週間後だったという。

コーウェンのアナリストで、10年間アマゾンを担当してきたジョン・ブラックレッジ氏によると、同氏の計算では、アマゾンの中核的なeコマース事業は今年、何十億もの損失を出している。「アマゾンはすべてを見直す必要がある」と同氏は指摘する。「今のままでは立ち行かない」。

デバイス部門とアレクサは、以前から社内では削減のリスクにさらされていると見られていた。アレクサと関連デバイスは、アマゾンが有力な音声アシスタントを作ろうと競争した結果、会社の最優先事項に急上昇し、同社の幹部たちはスマホの後継として不可欠なデバイスになると考えていた。

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