「ひとり広報」業務が膨大で大変なこれだけの理由 「頑張っているのに成果が出ない」人の解決策

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みな最初は、サービスや商品のプレスリリースを書くことからスタートします。慣れてくると、SNSやnoteでの発信に手をつけ始めます。

メディアアプローチにも慣れ、媒体ごとに企画書を書き分けたりしだすと、かなりの仕事量を抱えることになります。私もかつてはそうでしたが、できることが増えるにつれてハードワークになり、苦しんでしまうのです。

すると、企画書を書いているのに十分にアプローチする時間がなく、媒体露出につながらなくなる。SNSに投稿しているけど、コンテンツ準備に時間がかけられず、フォロワーがあまり増えない、エンゲージメントが下がる。露出の成果をしっかり共有・説明できていないから、社内にその効果が伝わりにくく、広報活動に対して不満が上がる。こんな状態になりかねません。

できる業務は増え、スキルは上がっているはずなのに、業務に追われて成果がでない。これではモチベーションも下がりますし、組織にとってもマイナスです。こうならないためにも、優先順位を考え、自社がフォーカスすべき広報活動をきちんと決めましょう。

「やること」より「やらないこと」

まずは広報としてやるべき仕事や、いま頼まれている仕事、手をつけたいと考えている仕事をすべて書き出してみましょう。それが自分でこなせる量であれば、優先順位をつけることで効率や生産性は上がると思います。

問題は、すでに自分のキャパシティーを超えている場合です。その場合は、次のような手順で整理することをおすすめします。

・本当に必要な広報業務かどうか、いま一度すべてを見直す(業務の断捨離)
・自分以外にもやれそうな人が社内にいないか探してみる(他部署に振る)
・外部人材やサービス、ツールに頼れないか検討してみる(外注の検討)

この3ステップを踏み、自分が「やらない」ことを決めるのが大切です。場合によっては「やること」を完全に諦めたり、時期をずらしたり、分量を減らしたりという選択もあると思います。完全に「やらない」と切り捨てるのは難しくても、社内から求められる状況と折り合いがつかない場合には、こちらの都合をしっかり主張することも重要です。

自社の広報活動でフォーカスする点を決めるポイントは、「何をやるか、どこまでやるか、何時間でやるか」を絞り込むことです。

ひとり広報の会社では、広報業務を理解しているのは自分だけで、上司や経営層、そのほかの社員に理解がなく、あれもこれもとお願いされる「なんでも屋」のような扱いになり、業務領域が混沌としている人も少なくありません。

まずは自分の業務領域を明確にし、社内で共有しましょう。結果だけでなくプロセスも含めて業務範囲を明らかにしておくと、結果がでない要因を分析しやすく、軌道修正もしやすくなります。外から見ても「なんのために、何をやっているか」がわかるように、混沌とした業務を整理することが重要です。

それでは、まずはポイントの1つめ、「何をやるか」について。

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