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企業の命運を左右する「ブランディング」の本質 「お客様のために」で失敗した大塚家具の蹉跌

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  • 金子 大貴 ブランディングディレクター
  • 一色 俊慶 クリエイティブディレクター
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久美子社長による路線変更がなくても、大塚家具は消滅していたかもしれません。しかし少なくともこの路線変更はブランディングの観点からは、悪手だったと言えます。「お客様のため」を思ったのに何がいけなかったのでしょうか。

この路線変更の結果、大塚家具は「『大塚家具よりは安いがニトリより高い』ニトリ」になってしまったのでした。これは、今までの大塚家具ブランドを支持してきた顧客が受け入れられるものではありません。一方でニトリやイケアを支持している顧客が、この路線変更で大塚家具に来店するとも思えません。

ではなぜ一旦来客数が増えたかと言うと、高級家具を安く買えると考えた人たちが一時的に集まったからでしょう。しかし彼らもすぐに気づきました。大塚家具の高価格は、家具の品質の良さもあるが、それ以上に顧客であることのプレミアム感にあったのだ、これでは単に「高いニトリ」だと。

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ブランディングとは「戦う土俵を変える」ことです。久美子社長の最大の失敗は、競合をニトリやイケアと定めて、自ら同じ土俵に入り込んでしまったことだと言えます。そうなると差別化競争になってしまい、価格競争力で分の悪い大塚家具に勝ち目はありません。これはニトリやイケアが価格競争をしているという意味ではありません。彼らは彼らで同じ土俵で戦わないためにしっかりブランディングしています。

いずれにしても、「顧客が喜ぶと(自分たちが)思うこと」をすることがブランディングではありません。「顧客が(顧客の頭の中で本当に)期待する価値」を見出し、その期待に応えることがブランディングです。

私たちが言う「顧客視点」とは、顧客の頭の中を探ることで、顧客が喜ぶことを想像することではないのです。この違いは決定的に重要です。

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