看護界の重鎮が91歳で新雑誌を創刊した切実事情 看護師を"ミニドクター"にすることへの疑問
今、看護雑誌を創刊した「看護現場」への思い
──川嶋先生が自ら責任編集した創刊号のコンセプトは「読み手になって考え、書き手として伝えること」。佐久大学の青木紀特任教授との「ケアのプロフェッショナルにとっての“ケア”とは」という対談にはじまり、普段は読み手である現場で働く看護師たちも筆者として名を連ねています。
続く第2号では、病人の生活の変化と回復力をもたらす花に着目するなど、現場目線にこだわった内容になっていますね。なぜ今、雑誌を作ったのでしょうか?
川嶋:看護に関する出版物は多く世に出ています。けれど、そのほとんどが専門分野に特化していて、総合的な雑誌がありません。職能団体が行っている専門資格の取得をする内容のものも少なくない。
もちろん学問としての看護や理論もあります。けれど、看護って、本当は現場で起こっているもっと人間的なもの。頭のなかでだけ考える看護は、看護ではない。患者さんに看護を提供してはじめて看護なのです。
「これはおかしい」「何とかしなければ」など、看護師が現場にいるからこそ見えることについて自由に発言できる場が必要です。
看護現場に軸足をおいた、患者さんを中心にした看護師の目線で「看護の本質」を追求する媒体を作らなければと考えました。そのため、現場の看護師からも夜勤の実態やハラスメントの問題についても寄稿してもらっています。
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