リニア品川-名古屋間工事、2015年内着工へ 主要工区を受注する最有力ゼネコンはどこ?

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大都市部の大深度トンネルと南アルプストンネル工事は、高い技術が求められるだけに、大成建設、鹿島、大林組、清水建設の上場スーパーゼネコン4社に加え、山梨実験線工事でも実績のある熊谷組、前田建設工業、飛島建設、安藤ハザマ、西松建設などが参画するものと見られる。

特に、スーパーゼネコン4社のうち主要工区をどこが受注するのか、注目される。すでに名古屋駅で建設中の新しい高層ビル「JRゲートタワー」(地上46階、地下6階)は大成と鹿島が施工。大成は設計段階から参画している。JRゲートタワーの地下はリニアの「名古屋ターミナル駅」と連結する設計になっており、リニア中央新幹線のトンネル部がこれにつながる。

残土処理に課題残る

それだけに「事実上、設計まで担当している大成建設はトンネルの受注もほぼ決定」(地元業者)と見方がある。また、品川駅からの大深度トンネルは大林組、鹿島、南アルプストンネルは大成、鹿島、清水などが有力と見られている。

また、東京都心部の大深度はシールド工法によるトンネル工事となるが、「最近はシールドマシンの性能が向上しており、掘り進むことよりも、100メートル以上の大深度から掘った残土をスピーディーにどうやって地上に運び出すのか、という技術も求められている」(スーパーゼネコン技術担当幹部)。

さらに、南アルプストンネルでは「最大土被り1400メートル以上という山岳工法でのトンネル工事は掘ってみなければわからない」(同)という難工事に加え、さらにヒ素など重金属で汚染された建設発生土(残土)が出た場合の処理も含め、大量の残土処理についても不透明な部分がある。今回は南アルプストンネルの一部工区が先行発注されるが、同じトンネルのほかの工区も含め、全体としてどのような残土処理が行なわれるのかも注目される。

(撮影:尾形文繁)

木村 秀哉 東洋経済 記者

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きむら ひでや / Hideya Kimura

『週刊東洋経済』副編集長、『山一証券破綻臨時増刊号』編集長、『月刊金融ビジネス』編集長、『業界地図』編集長、『生保・損保特集号』編集長。『週刊東洋経済』編集委員などを経て、現在、企業情報部編集委員

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