リニア品川-名古屋間工事、2015年内着工へ 主要工区を受注する最有力ゼネコンはどこ?
今回、競争参加資格の条件として山岳工法の主流であるNATM(ニュー・オーストリアン・トンネリング・メソット)による土被り400メートル以上のトンネル掘削工事、あるいはNATMによる内空断面積50立方メートルかつ延長1000メートル以上のトンネル掘削工事の実績を持つ企業または共同企業体などに限定。建設業法に基づく総合評定値なども参加資格条件に挙げられている。
土木に強い大手ゼネコンはほぼこの資格を満たすが、すでに内々では技術提案や残土処理などについて検討されているものとみられ、競争参加企業はある程度限られているというのが業界の見方だ。
5.5兆円の今世紀最大の民間プロジェクト
工期は契約日の翌日から2025年10月31日まで、という約10年にわたる長期工事となる。それだけに、工事期間中に想定外の自然現象などによる事故の発生や人手不足による人件費の高騰などがあった場合、工期や金額などの追加変更がどの程度可能なのか、工事を請け負うゼネコン側はその契約条件を気にするところだ。
とはいえ、品川・名古屋間の総工費は、5.5兆円(車両含む。山梨実験線42.8キロ、既設分は除く)という今世紀最大級の民間プロジェクトである。全線の完成予定は12年後の2027年だ。
大手ゼネコンは目下のところ、東北震災復興関連、東京オリンピック関連、さらに都内を中心に再開発案件や首都直下型地震対応の耐震工事など案件が数多くある。これに人手不足も重なり、超繁忙状態にあるが、「リニア新幹線は以前から計画があったビッグプロジェクトだけに、受注予定の案件の一つ」(大手ゼネコン幹部)としており、まだ余力を残している。東京オリンピックを挟んで、その後も工事が続くだけに、ポスト東京五輪をにらみ、トンネルに強い大手ゼネコンは受注しておきたいプロジェクトだ。
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