清水建設は利益3倍!「ゼネコン好況」の行方 受注環境が改善し、超売り手市場に

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外環道など公共工事の復活や都内の再開発などでゼネコン業界は活況を呈している

 「リーマンショック前の水準に戻ってきた」と大手ゼネコン幹部は最近の受注環境をこう説明する。「施工能力はいっぱい。工事は大型かつ採算のいいものを選んで受注している」。

東日本大震災の復興需要に加えて、安倍政権のアベノミクスによる公共事業の復活で、一気にゼネコン各社が活気づいている。2014年度9月中間期(4~9月期)決算発表を終え、2015年3月期の業績見通しを上方修正、もしくは上方修正含みとなったところが目白押しだ。

 鹿島の"独り負け"

「労務費高騰はまだピークの6~7合目程度。依然上昇傾向にあり、今後の大きな利益圧迫要因になる」(大手ゼネコン)と慎重な見方は崩していないが、足元の受注はほぼ限界にまで達している。「社内の技術者、協力会社の技能労働者はもちろん、全体に労務者不足が顕著、内装工まで足りないというのが現状だ」(中堅ゼネコン幹部)。土木、建築にかかわらず、絶対的に人手が足りない状況は解消されていない。

ただし、各社を個別にみると、収益状況には跛行色がみられる。鹿島の9月中間決算は期初利益計画を大幅に下回り、スーパーゼネコンの中では唯一、通期業績予想を下方修正。通期営業利益の見通しを期初予想より40億円低い240億円(前年同期比4.3%増)とした。

労務費などが高騰する前の東日本大震災前後に受注した一部の大型建築工事が計画通り進まず突貫工事となり、労務費が高騰。請負金額の追加交渉も不調に終わったことから、工事損失引当金の計上などの費用も膨らんだ。

中間期の単体の建築部門の完工総利益率(粗利率)をみると、前年同期比0.4%減。販売管理費を含めた連結の建築事業損益は約167億円の赤字に陥った。一方、土木事業は粗利率で12.3%という高水準。連結のセグメント利益も100億円を超える稼ぎ頭となった。

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