リニア、超巨大工事を手がけるゼネコンの名 大成と鹿島が関わるのはほぼ確実に

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リニアの工事安全祈願式に臨むJR東海幹部。一番右が柘植(つげ)康英社長

今世紀最大級の民間プロジェクト、リニア中央新幹線の工事が始動した。総工費は東京―名古屋間で約5兆5000億円、開業は2027年だ。2014年12月17日、JR東海は、今回の工事の両端となる品川駅と名古屋駅において、全線での工事の安全を祈願し、「工事安全祈願式」を行った。

これで正式着工となるが、今回の品川と名古屋で行われる工事は、あくまで本格工事に向けた準備工事であり、JR東海の自社所有地での工事にとどまっている。工事は品川駅側が名工建設、双葉鉄道工業、新生テクノスの3社。名古屋駅側はジェイアール東海建設、東海交通機械、シーエヌ建設、新生テクノスの4社。いずれも鉄道建設に精通したグループ会社が実施する。

今後の注目は、東京―名古屋間の286キロメートルのうち、どこの区画(工区)を、どのゼネコンが受注するか。特に難工事が予想されるのは、「大都市圏の大深度トンネル工事」、そして土被り(掘削面上部から地上までの高さ)が最大1400メートルという「南アルプスの山岳トンネル工事」の二つだ。「歴史に残る工事」(大手ゼネコン土木担当幹部)とされ、かつての青函トンネルなどと並び称される工事になるだろう。JR東海は「本格的な工事は来年度以降になる」としているが、年明けには工区ごとに発注先が正式に決まることになりそうだ。

基本はオールスーパーゼネコンの体制

大成建設、鹿島、大林組、清水建設といったスーパーゼネコンのほか、熊谷組、前田建設工業、飛島建設など、すでに実験線建設工事で実績のあるゼネコンに発注されることは、ほぼ決まっている。「最終的には、ほぼオールゼネコンで建設することになるのでは」(大手ゼネコン幹部)との見方。ゼネコンからすれば問題は、どこの工区を受注できるかだ。

当然、難工事が予想される工区は、JV(共同事業体)のケースや、またサブの参加企業も多くなる。工区ごとに、JR東海が見積もっている建設コスト=ゼネコン側からすれば受注金額も、違ってくる。超長期の工事になるため、その間の労務費や資材価格の動向も含め、どういう条件で発注されるのかも注目だ。ゼネコン側からすれば、「赤字受注になることはない」(業界関係者)だけに、特に主要工区の元請けがどのゼネコンになるのかに、最も視線が集まっている。

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