消費者への情報流通の“主役”だったマスメディアが凋落。その背景にある、ネット民や若年層が抱く不信感の正体とは。
11月14日発売の『週刊東洋経済』では「氾濫するPR」を特集(アマゾンでの購入はこちら)。情報流通の新たな担い手となりつつあるPR会社・業界の分析や、これらと対照的に不振が極まるマスメディアの現在地などを追っている。
新聞の発行部数はここ10年で3割以上減少し、テレビ番組の視聴率も下降線──。消費者への情報流通の“主役”だったマスメディアの凋落には、ネット時代の行動・志向変化に対応できていない媒体社へ募る「不信感」が影響していそうだ。象徴的な4つのケースを見ていこう。
論点1:「謝礼」と「校正」をめぐり批判殺到
〈最近いくつかの新聞社から「孤独のグルメ」についてのインタビュー依頼があったけど「今回は無償で」とか「報酬と著者校正はございません」っていうので断る。「宣伝してやるからインタビューただでさせろ」っていうみたいな新聞社の態度は、時代錯誤で非常識〉
人気ドラマ「孤独のグルメ」の原作者として知られる久住昌之さんが2022年9月、ツイッターにこんな投稿をした。新聞社への不満を爆発させたツイートには、2万以上のリツイート、9万以上の「いいね」。コメント付きの引用リツイートは1000件を超えた。その多くが久住さんに好意的で、新聞社の姿勢を批判する内容だった。
久住さんが「非常識」と難じたのは、①無償での取材協力(=謝礼なし)②取材協力者の校正なし(=掲載前の原稿確認なし)という2点だ。賛同する声には、新聞不信が強く表れていた。
〈宣伝するからタダとか、ありえない。というか、その媒体は自社の力の強さを読み違えていませんか?〉〈報道ならまだしも著者インタビューで報酬も校正もなしというのは思い上がりでは〉。久住さん同様、新聞社の「時代錯誤」な感覚を批判する声もあった。
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