「ネットメディアは政権交代可能な野党ではない」。毎日新聞の記者からBuzzFeed Japanに転じ、現在はフリーで活動する石戸諭氏に聞いた。
メインストリームの代替ではなかった
――ネットメディア各社が2010年代に描いていた夢と、足元の姿には乖離があるように感じます。
「NewsPicks」のように、「いついつまでに世界一の経済メディアになる」と言っていたメディアもあった(編集注:2018年に「5年後、世界でもっとも影響力のある経済メディアになる」と発信)。みんな、すごく夢を見ていたわけです。
2010年代は「インターネットが旧来型メディアを飲み込んでいく」といった空気が、業界全体に流れていた。誰もが声を上げられるSNSが隆盛を極める中、「旧来型メディアとは違うんだ」という建付けの新興ネットメディアが台頭してきた。
でも、ニュースメディアというのは結局、人的リソースがものを言う。単純な話で、ほとんどのネットメディアが、週刊誌の一編集部と同程度の人数すらかけることができなかったということだ。
――バズフィードジャパン時代に、石戸さん自身も夢を見ていたと。
いや、別にそうでもないですよ。現実はこんなものかな、と。
新聞やテレビとは違う角度からのニュースの発信を目指していたが、それはあくまで(マスメディアという)メインストリームあってこそのオルタナティブであって、「ちょっと(脇道を)走らせてください」ということ。
僕は最初から「メインストリームに取って替わるわけないじゃん」と思っていた。そもそも、人数が違うんだから。ネットメディアはメインストリームを代替するものではないと、そろそろ再定義するべきだ。
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