電子部品の「円安効果」飛ばす中国スマホの誤算 海外売り上げ多く追い風だが、下方修正も

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海外売上比率が高く、円安によって利益がかさ上げされる電子部品業界。にもかかわらず一部の企業は業績の下方修正に追い込まれた。背景にはなにがあるのか。

村田製作所とTDKのロゴ
円安は電子部品メーカーには追い風となったが、それ以外の要因が明暗を分けている(記者撮影)

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10月31日、電子部品大手の村田製作所が発表した決算は大きな衝撃をもたらした。

同社の2022年4〜9月期の売上高は9202億円(前期比1.3%増)、営業利益が1949億円(同12.2%減)になった。2023年3月期の業績予想を売上高1兆8200億円(前期比0.4%増、従来会社計画比1100億円減)、営業利益3800億円(同10.4%減、同600億円減)へと下方修正するに至った。

なぜこれが衝撃なのか。海外売上比率が高い電子部品業界では、円安になるとドル建てで取引した売上高や利益が高くなる傾向があるからだ。

実際、村田製作所によると、ドル円が1円円安になると年間売上高を100億円、営業利益を50億円押し上げる効果があるという。同じく電子部品大手のTDKの場合、ドル円が1円円安になることで売上高が100億円、営業利益が20億円押し上げられる。

高い海外売上比率が寄与

積層セラミックコンデンサや必要な電波のみを通すフィルターなど、世界的に高いシェアを持つ製品を多く展開する村田製作所では、国内生産比率が65%の一方、海外売上比率は9割にのぼる。そのため、ドル円が1円円安になると、海外での売り上げを円に換算した際に業績が大きく押し上げられる。円安では燃料費が高騰するといった悪影響もあるが、メリットと差し引きすると、140円台を行き来する未曽有の円安が止まらない中で日本企業には追い風が吹く企業も多い。

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