円安が進む状況下、キヤノンの御手洗冨士夫会長が生産拠点の国内回帰について言及した。その真意はなにか。
――今年初めに1ドル=110円台だった円は、10月下旬に150円台となるほどに急変動しました。この20~30年ぶりの円安水準をどうみていますか。
変動相場制になってから(為替レートが)動くのをずっと経験してきたから、ある意味慣れっこになっている。私が駐在員としてアメリカにいた1966年には1ドル=360円だった。
それが1971年のニクソンショックを機に300円を下回り、1989年に日本に帰ってきたときは120円くらいにまで下がっていた。1995年の社長就任直後は、(社長就任への)ご挨拶というわけではないだろうが、100円前後に円高が進んでいた。経費削減を死ぬ気でやったことをおぼえている。
キヤノンにとって円安は、日本から輸出する分にはメリット。でも、海外から輸入するものについてはコストが高くなる。連結決算をする際は、海外の子会社の経費が円換算すると上がる。円安のほうがプラス面は多いが、100%まるきりいいというわけではない。
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