債務超過の解消や業績の改善の必要に迫られ、切り売りされた旧子会社たち。その後を見ると、急激な利益成長を遂げていた。

東芝メディカルシステムズはキヤノンの手に渡った。写真は2016年(撮影:尾形文繁)
近年の東芝は債務超過の解消や業績の改善の必要に迫られ、さまざまな事業を売却してきた。一方で、売却された事業の「その後」を見ていくと、その場しのぎの売却が本当に正しかったのか、疑問が残る。
「売るべきではなかった」(ベテラン社員)と社員がいまだに恨み節をこぼすのが、東芝メディカルシステムズだ。画像診断装置に強く、CT(コンピューター断層撮影)装置で国内トップシェアを誇る。日本の高齢化が進む中、需要は伸びることが予想され、成長性は十分だった。だが、ドタバタ劇の果てにキヤノンに売却される。
「あんなスキームはもう二度と使えません」。2016年3月の東芝メディカルの売却を振り返り、金融関係者はそう口をそろえる。
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