東芝が抱える問題は経営陣だけにとどまらない。組織の弱体化にも直面しつつある。
「同期の辞めていくスピードが、東芝本体の経営のごたごたで速くなった。うちの事業部に配属されていた同期は30人くらい。私を含めてその半数がすでに会社を去りました」
今年春、7年勤めた東芝の中核子会社を辞め、重電大手に転職した30代男性はそう話す。発電設備などインフラ関連の仕事は、忙しかったが待遇は悪くなかった。むしろ年収は転職で100万円近く下がったほどだ。それなのに見切りをつけたのはなぜか。
「この先10年後を考えたとき、一緒に仕事をしている人がいないのではと思ったからです。辞めていく人が多いのに、ほかの部署からの異動や中途採用による補充がない。自分のいた約10人のチームでは、私の上は49歳で20歳近く離れていた。プロジェクトをまとめるマネジャーもいちばん若くて51歳でした」
進む組織の高齢化
転職した今の会社のプロジェクトマネジャーは38歳の人が務める。求められる技術レベルは、今の会社のほうが高いというので、東芝時代の高齢マネジャーの存在がいっそう際立つ。
この男性の指摘から見えてくるのは、東芝で進む組織の高齢化だ。東洋経済が上場各社に行っているアンケート調査でも、東芝の高齢化は鮮明だ。
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